ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと 五十嵐大 (著)  幻冬舎 (2021/2/10) 1,540円

「誰もが生きやすい世界は、いろんな境界線が混ざり合った世界だと思う」

耳の聴こえない両親から生まれた子供=「CODA」の著者が書く

感涙の実録ノンフィクション!

もしかすると、ぼくは母親の胎内にいたとき、国に“殺されて”いたかもしれない――。

そう考えると、いまこうして原稿を執筆できている状況が、まるで奇跡のように思えた。

2018年9月、衝撃的なニュースを目にした。ろう者である兵庫県の夫婦2組が、国を相手取り訴訟を起こしたのだ。
その理由は、旧優生保護法による“強制不妊手術”。

旧優生保護法とはいまはなき法律で、その第1条には「不良な子孫の出生を防止する」と記されていたという。

障害があることで、差別を受ける。

これは絶対にあってはならないことだ。

健常者のなかには、障害者をことさら特別視する人たちがいる。

それが悪意のある差別や偏見として表出することもあれば、過剰な親切心という逆説的なカタチで表れてしまうこともある。

けれど、忘れないでほしい。

障害者は別世界の人間ではない。

ぼくら健常者と同じ世界に生き、同じように笑い、怒り、哀しむ、ぼくらの隣人なのだ。

ただし、ぼく自身がそう考えられるようになったのは、大人になってからだった。

幼少期の頃のぼくは、障害者、特にろう者のことを嫌っていた。

そう、かつてのぼくは、母のことが大嫌いだったのだ――。(本文より)

「読書が苦手なわたしが一気に読んでしまった作品です。コーダという言葉とコーダの方の存在は存じ上げていましたが、思っていたよりも壮絶であり家族愛の中での葛藤に涙する作品です。自分の存在に迷ってる方にオススメします。」

「「『聴こえない親を守りたい』という肯定的な気持ちと『聴こえない親なんて嫌だ』という否定的な気持ちとの狭間で大きく揺れ動く」コーダである著者が、両親、特に母親とどう関係を取り結んできたかを、「後悔と反省」を交えて記す。 かなりの頻度で「泣いた」という記述があって、情緒的過ぎるけれど、親や親子関係を語ると得てしてそうなるのだろう。」

「とても感動しました。作者の五十嵐さんの赤裸々な心の動きが、とても共感できました。」


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