宙わたる教室 伊与原新 (著) 文藝春秋 (2023/10/20) 1,760円

東京・新宿にある都立高校の定時制。

そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。

負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。

子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。

起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。

中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。

「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、

理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、

学会で発表することを目標に、

「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。

『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、

今年一番熱い青春科学小説!

「大事なのは環境ではない。人だ。意欲だ。
そう訴えかけてくる作品だと感じました。
物語の舞台は繁華街の定時制高校。
過酷な現場に身を置きながら、研究とはまるで縁のなさそうな面々を科学部へいざなう教師には、胸に秘めた特別な想いがありました。活力を分けてもらった気がします。思わぬ方向に進みだす彼らの活動が、周囲に熱を伝播させていく様子を目の当たりにしてまるでこちらまで巻き込まれたみたいに夢中になっていました。
これを読めば当たり前のように思ってきた毎日がより愛しくなるのではないかと思います。
大人だけでなく、学校生活を何となく過ごしているような子どもにも強烈に推したくなる本ですね。
(対象年齢は13歳半以上かな?)」

「定時制高校が舞台で、全日制生徒とのトラブルや、昔のワル仲間の嫉妬や妨害など、お約束的なエピソードが目立ちますが、事情の違う、老若男女のワケあり生徒たちが、困難を乗り越えながら、たどりつく結果と結末には、やはり胸が熱くなってしまいます。また、始まりは夜の小さな教室でしたが、その先に広がる青空、火星、そして宇宙は、手を動かし、正解のない扉を開き続けたからこそ、見えた世界なのだと気付かされます。このほか、彼らを動かした、くせ者の担任教師が仕掛ける『実験』とその『仮説』や、道を逸れ、迷い掛けた生徒に掛けた、養護教諭の厳しくも温かい言葉も印象に残ります。なお、最後のやり取りを含めて、いささか都合が良すぎに映る場面もありましたが、物語自体はフィクションも、定時制高校の科学部をはじめ、実績や驚きのその後など、実際の出来事に感銘を受けて書かれた作品とのことで、広くおすすめをしたい一冊です。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

宙わたる教室 [ 伊与原 新 ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2023/11/9時点)

楽天で購入

 

 

おすすめの記事