そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ(著) 文藝春秋 (2018/2/22)

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。

血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。

大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。

「主人公は父親が3人、母親が2人いて、名字も3回変わる、そんな高校3年生の女の子である。そんな境遇をきいたら、さぞかしつらい人生だろうと感じると思うが、本人は悩みがなくてあっけらかんとしている。そして現在の父親の森宮さんがホントにとぼけてていい味出してる。こういう家族小説を待っていた。
ちなみに、最後はちょっとネタバレ的ではあるけど、東野圭吾の秘密を思わせる終わり方で涙なしには読めません。」

「ウィットにとんだ、ほっこりとする穏やかな文章。
読む進めるほどに、こころが温まるストーリー。
家族と親子の愛情のあり方を問う。
家族とは形だけではない。
転々と親が変わっていくような環境は不遇と思うかもしれない。
決してそうではなく、しっかりとした愛情があれば、子どもは安心して育っていく。
愛情があれば、この上ない幸せをつかむことが出来るんだ。
子どもは子どもで悩むことはあっても、愛情があれば克服できるんだ。
食卓のごはんのお話に、美味しい香りが届いてくる。
ピアノ演奏にコーラスが聞こえてくる。
合唱曲「ひとつの朝」が躍動している。
「いくつもの出会い」「広がる自由を求めて」
愛情にあふれた日々。
読後は、ほのぼののと、とても爽やかな気持ちになりました。」

「この本の主人公と似た境遇で、まだ小学生の子供が身近にいるため、主人公が成長していく過程での心の変化などを参考にしたくて読みましたが内容が余りにも現実的ではなく上っ面のキレイな部分だけを捉えた家族像。もっと信憑性のある少し重めな、それでいて教訓になるようなストーリーを期待したのにがっかりしました。」

 

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