飛び立つ季節 旅のつばくろ 沢木耕太郎 (著) 新潮社 (2022/6/30) 1,100円

どんな状況下でも沢木耕太郎は旅を続ける。

この国を、北へ南へ。自由に、そして軽やかに――。

いつだって旅はある。

そう、夢の場所がある限りは――。

16歳のとき初めて一人で旅した秋田県男鹿半島、檀一雄の墓に参った福岡県柳川、吉永小百合と語り合った伊豆の修善寺……

旅先での風景を前に、「あの頃」と「いま」が交錯する。

JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で人気を博した連載などから35編を収録、『深夜特急』の著者が気の向くままに歩き続けた、国内旅エッセイ集。

目次
雨雲からの逃走/心残り/続けて通えば/ぽつりぽつりと/地下広場/蜜柑とアンパン/風景をつなげる/
旅のリンゴ/いつか棚/待てば海路の/秋の祝福/竹林を歩きながら/逗留/天城越え/連れられて/
すれ違い/訊ねることから/八雲のまなざし/静寂の中/崩れるままに/蝉のレスキュー/どちらが先か/
幻の占い師/滝は流れる/衣笠/夢/木造駅舎/日光号/隙間を空ける/時のふりかけ/黄金の刻/
もうひとつの黄金の刻/赤いポスト/クラシック/記憶のかけら/飛び立つ季節――あとがき


沢木耕太郎
1947年東京生れ。横浜国立大学経済学部卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年に『一瞬の夏』で新田次郎文学賞。その後も『深夜特急』や『檀』など今も読み継がれる名作を次々に発表し、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を、2014年に『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を受賞している。近年は長編小説『波の音が消えるまで』『春に散る』を刊行。その他にも『旅する力』『あなたがいる場所』『流星ひとつ』「沢木耕太郎ノンフィクション」シリーズ(全9巻)などがある。2018年『銀河を渡る 全エッセイ』『作家との遭遇 全作家論』、2020年初めての国内旅エッセイ集『旅のつばくろ』、全4巻となる「沢木耕太郎セッションズ〈訊いて、聴く〉」を刊行。

「私は、バックパックを背負いながら、シカゴで左ハンドルの格安レンタカーを借り、かつて5年間移り住んだ土地に向かって米国中西部のモーテルを渡り歩く「夢」をまだ捨ててはいません。のお陰で、その夢の実現が少しだけ遅くなったと思っています。準備さえしていれば、「飛び立つ季節」が必ず来ると信じています。」

「昨年、スペースを空けるために数千冊あった紙の本をすべて処分してしまいました。そこには多くの「沢木耕太郎」の著作も含まれます。時に深い後悔に苛まれますが、思い返しましょう。読みたくなったら、また買えば良いのです。旅はまだまだ続くのだから。」


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