東京都同情塔 九段理江 (著) 新潮社 (2024/1/17) 1,870円

第170回芥川賞受賞作! 日本人の欺瞞をユーモラスに描いた現代版・バベルの塔

ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。

犯罪者に寛容になれない建築家・牧名沙羅は、仕事と信条の乖離に苦悩しながらパワフルに未来を追求する。

ゆるふわな言葉と、実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。

「なんだこの作品。東京オリンピックでザハ案の国立競技場が建てられた近未来日本の話しなんだけれど、怖いくらいリアル。現実にはザハ案は却下され、コロナで無観客のオリンピックを行きた私たちに、あたかもこんな未来があったかもしれないと、あり得ないのだけど思わせる。その筆力にまず脱帽。一気にファンになった。」

「良し悪しが判断される事自体へのアンチテーゼな作品だが、小説内から離反しているソーシャルメディアにリアルタイムで刺さる内容となっている。この作品に関する切り取られた情報のみを先にデジタル上で取り込み、デジタルコミュニティで集まった批判者が発生す状況になればなるほど、この小説が訴えかける言葉の力がより強固になっている。正に芥川賞に相応しい傑作であり、この作品による体験は唯一無二です。」

「レイプとは、ナンパの言い訳、言葉の検閲、言語化への拘り、そして嫌悪、共感するばかりだった。
話の広がりこそなかったものの、ポリアモリーに言及してくれた事もポイントかと思う。
ナショナリズムではなくとも、日本語が崩壊していくことへの寂しさ、切なさのようなものが、うまく表現されている。和歌からも通じる、音の響きと意味の調和の美しさを感じられることを嬉しく思った。」


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