十年後の恋 辻仁成 (著) 集英社 (2024/1/19) 792円

愛ではなく、恋がしたかった。

ただ焦がれるだけの恋を。

パリで暮らす著者が描き出す、大人の恋愛小説。

パリで暮らすシングルマザーのマリエは、離婚から十年、映画製作の仕事と子育てに奔走してきた。

二度と恋はしない――そう自分に言い聞かせていたが、謎めいた年上の実業家・アンリと出会い、急速に惹かれていく。

しかし新型コロナウイルスが蔓延する中、アンリの友人から、彼がお金を返してくれないと相談される。

アンリは一体何者なのか。疑念は膨らんでいき……。

永遠の恋を描く、究極の恋愛小説。

【著者略歴】
辻仁成(つじ・ひとなり)
東京都生まれ。1989年『ピアニシモ』で第13回すばる文学賞を受賞。作家・詩人・ミュージシャン・映画監督と幅広いジャンルで活躍している。97年『海峡の光』で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版Le Bouddha blancでフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『日付変更線』『父 Mon Pere』『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』他、著書多数。

「歳を重ねて仕事も若い頃より責任もやるべき事も増えて、日々に追われて。恋に一喜一憂していたあの頃の自分とは全く別人みたいです。
それだからこそ愛の安心感や守りたい気持ちがようやく分かってきました。

「フランス語のAmourには恋と愛の区別はないそうだ。
一方、私の中ではそれらは明確に異なる。極端に言えば、相手のために命を捨てる覚悟があるのが「愛」だ。

この小説に描かれているのは大人の恋だ。いわば第二の人生の。
物語の途中から、コロナによって世界が変容する」

「良かったです。
大人の純恋愛小説かと思いながら読み進めていたら途中からちょっと謎が発生、ややサスペンス小説風味になり、結末が分からないまま読んでいたら最後の最後でこうくるのですか!と驚愕しました。
面白かった。
辻仁成さんの文章やっぱり好きです。」


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