物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国 黒川祐次 (著) 中央公論新社 (2002/8/25) 946円

ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。

不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。

スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。

人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぎヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。

「ロシアによる侵略をニュースで見て、本書を思い出し購入しました。扱っているのが古代から20世紀までで、21世紀の話は出てきません。非常によく練られた、落ち着いた読みやすい文章で、二日間で読み終えてしまいました。ロシアの一部だろう位に思っていたらとんでもないハナシで、様々な要因で長年独立を志すも果たせない歴史を知りました。また、地続きで大国に囲まれた国家の苦労は島国で暮らす私には想像を絶するものがありました。副産物として旧ソ連の悪行(と言って良いと思います)の一端にも触れることが出来、以前ソルジェニーツィンの本を読んだことがある身としてはさもありなんと感じました。紙の本は現在プレミアムがついているようですが、電子書籍なら定価で買えますのでウクライナ初心者やロシアを知りたい方にオススメいたします。」

「歴史的に見ると、ロシアがいかに傍若無人なジャイアンで、ポーランドがいかに卑怯な裏切りをするスネ夫なのがよくわかる内容。かなり詳しく調べてあって参考になる。ロシアもポーランドも好きな国だけど、ちゃんと裏表は理解しておく出来だと思った。個人的にスラブ糸ではウクライナが一番好きなので、日本とウクライナを脳内変換しながら一喜一憂して読んでみた。中国と韓国にハラスメントされてる日本、そんなイメージで読むとわかりやすいかも。でも、ウクライナのほうが遥かにひどい目にあってる。知人のロシア人もウクライナの悪口多いし、こうやってウクライナ側から歴史を見てみると、なんだかんだ言ってやっぱり今のロシアは昔のロシアと同じなんだな、と思った。兄弟でいうと、ただのわがまま長男って感じ。笑えない。」

「ウクライナでは多くの民族と国家がその地を踏みにじりながら横断していった。それは極東の島国である日本とは対極。だからこそ、日本人がウクライナの歴史を知り、自分達の国を創るために、ウクライナの人々がどれほどの血と涙を流したかを学ぶことは大きな意味があると思う。ウクライナの子供は学校で母国の歴史を学ぶ時、何を感じるんだろうか。」


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