音楽サブスクは〝地獄〟なのか 川本真琴が怒りの発信「このシステムを考えた人は地獄に堕ちてほしい」
一方で〝宣伝〟と割り切る尾崎世界観
「愛の才能」や「1/2」などのヒット曲で知られるシンガー・ソングライター、川本真琴(48)の「サブスクを考えた人は地獄に堕ちて」とした発言が波紋を広げています。
音楽業界からも賛否の声が飛び交うのですが、音楽サブスクの実態に迫ります。
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サブスクは地獄に墜ちてほしい
川本は9月20日、ツイッターで、「サブスクというシステムを考えた人は地獄に堕ちてほしいと思っている」などと投稿。
音楽のサブスクリプションサービス(サブスク)がアーティストにもたらす収益がいかに少ないかを訴えたのです。
これを受けて、今月24日にはロックバンド「クリープハイプ」の尾崎世界観(37)がラジオ番組で「川本さんくらいCDが売れてる時代だったら、もしかしたら抵抗があったかもしれないですけど…」とした上で、
「(サブスクのおかげで)CDを出していたときよりも幅広く聴かれてるって印象がある」とし、割り切って宣伝としていると明かしました。
川本は26日にツイッターで「尾崎世界観さんはサブスクは宣伝でしかないと言っているけど、サブスクだとしても私は音楽を宣伝という扱いに思ったことはないです」と反応。
サブスクだけの売り上げでは活動を続けていくのが難しい状況だとつづると、「音楽でやっていきたい友人がサブスクの売り上げが一回0・01円以下で40回しか売れてなく、これを仕事にしていくことはできない、というのを聞いてツイートしました」と明かしました。
この話は、音楽でやっていきたい友人が、サブスクの売り上げが一回0.01円以下で40回しか売れてなく、
これを仕事にしていくことは
できない、というのを聞いて
ツイートしました。— 川本真琴 (@19740119) September 26, 2022
単価が安すぎる
定額の料金を支払うことで聴き放題になる音楽のサブスクは多くのユーザーに親しまれる一方、音楽業界ではかねてその普及を危惧する声も出ていました。
レコード会社の社員は語ります。
「サブスクの運営会社によってまちまちですが、おおむね楽曲の1再生数あたり0・3~1円の印税が発生します。ただ、これはトータルの売り上げであって権利者やレコード会社などの取り分を除くと、アーティスト本人の収入はもっと低く、川本さんの言うように0・01円以下になることもざらです。これがCDだと、1000円のシングルでもアーティストの取り分は1%の10円程度。作詞や作曲もしていればそれぞれ3%ずつがプラスされます」
相対的な話ですが、CDと比較するといかに単価の安いサブスクがアーティスト泣かせなのかは見えてくるのです。
音楽サブスク、日本だとメジャー所属の音楽家ほど単価の低さに割を食う一方、かつて自作CDを手売りしてたようなインディアーティスト(特にインスト音楽製作者)だと従来では考えられないレベルの収益を得ている人もいる。この点では確かに”革命”だった。
— TOMC トムシー (@tstomc) September 23, 2022
人気アーティストでも無視できない
こうした背景もあり、過去には山下達郎(69)も
「表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない」
とインタビューで語るなど、サブスクには否定的です。
その一方で近年は多くのアーティストがサブスクに楽曲を提供しており、昨年は「B’z」がサブスクを解禁して話題となりました。
「川本さんの今回の発言については同意する声も業界内には多いです。とはいえ、世界的に見ても音楽ユーザーたちの間で魅力的なサービスとしてここまで定着してしまった以上、もはや人気アーティストといえども、その存在を無視することはできないでしょう」(前出のレコード会社社員)
ひと昔以上に歌手一本で食べていくのが難しい時代がすでに到来しているのです。
今、音楽活動をしようとしてる方が
個人的に音源を出す場合、
サブスクだけの売上では
活動を続けていくのが
難しい状況であることを
伝えたかったです。— 川本真琴 (@19740119) September 26, 2022
ネットの声
「川本さんに同意だし、川本さんの様に名前や音楽が知られている立場の方がその様に仰られていると言う事が売れないアーティスト達には本当に有り難いお事なんだと思います。
いつの時代も芸術で稼ぐ事は難しいですが
それが今の時代はネットの普及で逆にチャンスが
広がってはいると思います。
ただそれはアマチュアと同じような事に今はなってます。
アーティストにとってはこれからはNFTなど活用しながらなるべくアーティストがしっかりと恩恵を受けられるものを選択しながら安売りだけはしないように心がけていくと良いのかなと思います。」「川本真琴に賛成です。
私自身は音楽に携わってるわけではない、ただのJ-POPファンです。
しかしいい曲はたくさん聞きたいし売れてる人には長く活動してもらいたい。
きちんとした収入を得てもらうためにも、サブスクで配信するにしても「発売から~年後から解禁」とか制限をつけたりするなど一定の決まりを作り、売り手作り手両方に利益がある道を選定してもらいたいです。
まだまだ新しいコンテンツだと思うので、これから改善は必要。」「時代とともに縮小していく産業というのは過去にもあったわけで。人力車もたばこ農家も昔と比べたら激減してるじゃないですか。世界を変えるより自分が変わったほうが早いんじゃないかな。
従来のプロが食べていくことが難しくなったかわりにと言ったら変だけど、アマチュアが自分の音楽を手軽に発表できる場が増えたのも事実で。時代が変わっていくにつれ、自分も、売り方も変えていかないと、取り残されますよ。」「言いたいことはわかるけど、旬が過ぎて円盤の購入がされなくなったとしたらそれこそ大打撃なんじゃないかな。
パッケージが売れなくなるということは色んな方面への版権だって微々たるものになるんだろうし。
言い方は悪いけど、いわゆるオワコンになってしまったとしても一定数その曲だけは聴きたいって要所での需要を見込まれる可能性だってあるんだから、配信サービスも悪いことばかりじゃないと思うんだけどな。」