東京郊外の生活にハマった30代男性の主張「地元新潟のほうが全然都会だった」
約1400万人が暮らす東京都は、言わずと知れた日本一の大都市。でも、都内全域が人口密集地というわけではありません。
実際、東京でも23区外の西部に行くほど郊外らしい街並みとなり、自然の豊かな場所も増えていきます。
大学卒業後に地元・新潟から上京して福祉用品メーカーに就職した大石祐司さん(仮名・32歳)。
ただし、入居したアパートがあったのは東京都の西側に位置する、あきる野市。
近くに山並みが見える緑豊かなベッドタウンですが、多くの人が抱く東京らしさはないかもしれません。
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地元のほうが全然都会だった
「なるべく職場から近い場所に家を借りようと思ったんです。最初に来たのは会社の面接のときでしたけど、そのときは街の様子なんて気にする余裕がなくて気づきませんでした。でも、2月に家を探そうと改めて現地に行くと、住所は東京なのに地方の町みたいな雰囲気だったからビックリですよ。私は上京するまで新潟市内の実家に住んでいたのですが、正直地元のほうが全然都会だなって」
思い描いていた東京ライフとは明らかに別物でしたが、間近に木々や山並みが見える場所での生活をそれほど悪くはなかったとか。
しかし、周辺に自然が多い土地ゆえに虫が多く、夏場は窓や網戸を締めても部屋に入ってくるため、大変だったといいます。
事実すぎんだけどこれwwwwwww
東京住みって言ったって田舎なとこは田舎なのよ??? pic.twitter.com/r42qlhyDSI— まりも?? (@marimo_N2M) May 10, 2022
自宅アパートの裏手には山が!
「当時住んでいたアパートの裏手は山だったから何度駆除しても蚊が室内を飛んでいるんです。それにベランダに干した洗濯物に引っ付いて入り込んでくることもあったから途中からはずっと部屋干し。実家は新潟市の中心部から歩いて15分ほどのマンションだったので部屋で虫なんてほとんど見たことがなかったんですけどね。まさか故郷よりも田舎を感じるとは夢にも思いませんでした」
しかし、地元の友人たちの間では、大石さんが都会に住むという偏った情報が先行。
本人がいくら「東京と言っても名ばかりの郊外だよ」と説明しても「またまた~」と信じてくれなかったそうです。
「しかも、何人かが『遊びに行くから泊めさせて』と言ってきたんです。こっちとしては来てくれるのは嬉しいし、断る理由はありません。けど、同じ都内でも新宿からはスムーズに乗り継ぎができても1時間以上かかるし、彼らがイメージする東京とは程遠いからいろいろと言われるだろうなって。案の定、その通りだったんですけどね」
地元が田舎でこういうタイプのコメダしか見たことなかったので、ビルに埋め込まれた東京のコメダにコメダ感を感じない pic.twitter.com/Q3IFvgfNg7
— りこーだー (@xpro_trm) May 17, 2022
アウトドアを楽しむには最適な環境
自宅最寄りの武蔵五日市駅まで迎えに行くと、改札口から出てきた友人からの第一声は「遠いよ!」。
新潟駅から東京駅まで新幹線に乗っていた時間よりも東京駅からもここまで来るほうが時間がかかったと疲れた顔でボヤかれます。
「東京っぽくないと散々言ってた意味をようやく理解してもらえましたが、『こんなの詐欺だ!』って一言にはさすがにイラッとしました。この街だって良いところはたくさんあったし、生活するうちに案外住みやすいと感じるようになっていたので。だから、『バカにするな! あきる野市民に謝れ!』って言い返しました(笑)」
ちなみに大石さんがこの街を好きになった大きな理由は、職場の先輩たちに誘われて始めたアウトドア。
すっかりハマってしまったそうで職場の方だけに限らず、同じ首都圏上京組の同郷の友人たちと一緒にバーベキューやキャンプ、渓流釣りなどを楽しむようになったそうです
地方都市に住むA君は中央大学に合格しました。
A「やったー!東京に出れるぞ!」
A「東京は大都会なんだろうな!」中央大学多摩キャンパスに到着
A「なんだこの田舎は…」
A「出身地より田舎じゃないか」— Univlife-FYD (@daigaku_fyd) May 9, 2022
子供をこの街で育てたいと思うように
「キャンプ場だけでも自宅から車で30分圏内に10か所はあるので移動もラク。衝動的にひとりキャンプをしたことも何度もあります。近くにある秋川渓谷は解放感があって自然に浸れるし、平日の朝はほとんど人がいないからたまに早起きして散策したりしていました。森林浴でスッキリした気分になれるし、これは近所に住んでいた人間の役得かなって」
買い物も隣の八王子市に行けば、たいていの物は手に入り、ほかにもネット通販もあるので困ることもなかったそう。
そのため、都心に行くことは滅多になかったといいます。
「間違いなく奥多摩に行っていたほうが多いですね。現在は結婚して市内の別の場所に住んでいますが、子供を育てるにはむしろあきる野市みたいな環境が良いはず。自分にとっても合っていたんだと思います」
大学時代に想像していた未来予想図とは完全に別物になってしまったようですが、結果的にはそれでよかったのかもしれませんね。
ミスチルにとくに思い入れはないのだけど田舎から東京に夜行バスで友達と行ったとき東京にさしかかるあたりの工業地帯でtomorrow never knowsをウォークマンで片耳ずつ一緒に流して「これが東京か…」って言った思い出はあります
— 笑う鰐とバッファロー (@WtTDzfUQsrGb9Fd) May 14, 2022