伝説の名車「トヨタ2000GT」のフェンダーにある「謎の蓋」!
開けると「トヨタの思い」が詰まっていた
トヨタを代表する車種として、未だに圧倒的な存在感を放っているトヨタ2000GT。
当時のフラッグシップモデルであるクラウンのおよそ2倍という車両価格でしたが、それでもなお、売るほどに赤字となると言われるほど利益を度外視して作られた車種となっています。
それだけに、現在ではクラシックカーのオークションで1億円を超える価格で落札されるなど、その価値はむしろ上がり続けているといってもいいでしょう。
目次
トヨタ2000GTは機能だけではなくデザイン美も極めていた
そんな2000GTだけに何となくのルックスなどは把握していても、詳細については詳しくないという人も多いことでしょう。
博物館や旧車イベントで展示されている姿をみることはあっても、なかなか細かな部分までチェックすることは難しいためにやむを得ないとも言えます。
2000GTのエクステリアをチェックしていくと、フロントドアの前方、フェンダーの後端部分に謎の四角い切り欠きがあることに気づきます。
果たしてこの部分はどうなっているのでしょうか。
結論から先に言ってしまうと、この部分には運転席側にはバッテリーが、助手席側にはエアクリーナーボックスとウォッシャータンクが収められています。
トヨタ 2000GT [MF10型] 当時の販売価格は238万円と、現在の2000万円ほどと高価であった。
生産台数は337台である。
市販車の本格生産は、ヤマハ発動機に委託され、ヤマハがほとんどを手がけた車だった。pic.twitter.com/033hiurQwB— 名車・珍車bot (@great_cars_bot) January 30, 2022
エンジンルーム内のスペースに余裕がない
美しいロングノーズを持つ2000GTですが、強固なX型フレーム構造の2000GTは意外にもエンジンルーム内のスペースに余裕がありません。
エンジンルームを開けたときの美しさにもこだわった結果、このバッテリーとエアクリーナーボックス、そしてウォッシャータンクをフェンダーの内側に追いやったといわれています。
つまり、近年のドレスアップカーで使われている“不要なものは極力見せない”という手法をすでにこの時代から採用していたということになり、それだけ2000GTにかける思いが強かったということなのでしょう。
トヨタ 2000GT(1967) – ヤマハとの共同開発によって生産された伝説的名車。2013年 米国のオークションにて116万ドル(1億1800万円)の値が付いた。ちなみに歌手の森山良子さんは免許取得前この車で練習していたとの事。pic.twitter.com/nhSntRD7Z9
— レトロカー紹介bot (@retro_car_bot) February 16, 2022
見ためだけのものではない
また、エアクリーナーボックスについてもフェンダー部分はエアクリーナーエレメントを収める部分となっています。
キャブレター部分に備わるボックスから吸い込んだエアを一旦貯めるチャンバー的な要素も兼ね備えているため、単に見ためだけのものではない点はさすがトヨタといったところです。
3代目 スープラ A70型 1986年~1993年
3代目スープラの発売当初のキャッチコピーは「TOYOTA 3000 GT」であり、トヨタ往年の名車2000GTを意識したものです。3代目スープラは誕生から4ヶ月後には、脱着式のディタッチャブルトップを装備させたエアロトップをラインナップしました。COBBY pic.twitter.com/CIb9rSeoYq
— COBBY(コビー)?? (@cobby_jp) February 19, 2022
ネットの声
「元々ヤマハ発動機側から日産自動車にこんな車を作りませんか、と持ち込んだのですが断られてトヨタ自動車工業にまわって来た、生産台数が限られていたので外板のプレス型を造らず職人がハンドメイドで鉄板を叩き出して作りました、シャシーは当時のロータスが開発したXボーンフレームを真似て作った様に覚えております、何にせよ手間暇かけて作り上げた日本が誇れるGTカーの一台ですね!」
「TOYOTA 2000 GTのシルエットは時の経過を忘れさせるほど惹かれるものがあります。またエンジンもYAMAHAですから当時の最高峰の車です。後にTOYOTAはF1に参戦する時、やはりYAMAHAのエンジンを搭載して挑戦しました。やはり2000 GTはTOYOTAとYAMAHAこの組み合わせでないとね。2000GTこそ価格が跳ね上がっても仕方が無いと思う車です。」
「バッテリーとエアクリーナーをフロントフェンダー後方の低い位置に置くのは、お手本になったジャガーEタイプの手法を踏襲している。ただし、ジャガーはエンジンフードがフェンダーごと持ち上がるカウルタイプなので、2000GTのような「謎の蓋」は必要なかった。」