ウルトラ怪獣最強はゼットンだと誰もが思っていた!

再登場が不評だった「ウルトラ怪獣」たち 最強だったのに弱体化し過ぎ…

「ウルトラマン」シリーズに出てくる怪獣や宇宙人。

昭和、平成、令和と幾度となくシリーズ中で再登場しては往年のファンを喜ばせ、そして新規ファンを増やし続けています。

まさに円谷怪獣、宇宙人は永遠のスーパースターと言えるでしょう。

初代が最強過ぎて2代目ゼットンは…

とはいえなかには「再登場」したのに、どうにも評判が芳しくなかった、そんな悲哀たっぷりな怪獣や宇宙人もいるのです。

芳しくなかった代表例といえば心苦しくも『帰ってきたウルトラマン』の最終話に登場したゼットン2代目を挙げざるを得ません。

初代ウルトラマンを倒した最強の宇宙恐竜ゼットンの再来。本編は絶望を絵に描いたような展開なのですが、2代目のビジュアルはなんともずんぐりとしており、初代ゼットンとは全く違う姿。

最後もスペシウム光線で普通に倒されてしまうのです。

リアルタイム世代からは大いに不評を買いましたが、今ではそうした部分も含めて愛されています。

「卑怯もラッキョウもあるものか」の名台詞で有名な2代目メフィラス星人

さらに初代の印象が強かっただけに、あまりの変容ぶりに視聴者を驚かせたのが『ウルトラマンタロウ』に登場したメフィラス星人2代目です。

こちらも初登場は初代ウルトラマン。

IQ1万超とされる知性を発揮し、「宇宙人同士が戦ってもしょうがない」と言い残して紳士的に去るなど、インテリ宇宙人という圧倒的存在感を放っていました。

ところが、メフィラス星人2代目はどうにも様子がおかしいのです。

初代と比べると肥満体型で、色合いもやや派手。自動販売機に神経毒を持つ植物を仕込んで世界征服を企むなど、やり方も泥臭いうえに卑怯です。

それを指摘されればかの有名な「卑怯もラッキョウもあるものか」というセリフで応酬しました。

初代が作ったイメージを可能な限り壊した2代目ですが、彼がいたからこそ映画『シン・ウルトラマン』でのメフィラスがより映えたといっても過言ではないでしょう。

不思議な「アレンジ」をされてしまった再登場宇宙人

初代とのビジュアルの変化が大きい「再登場」といえば『ウルトラマンA』に登場したメトロン星人Jr.です。

初代は『ウルトラセブン』に登場。Jr.はその子供という設定。

初代と比べて全面部分はオレンジ一色となり発光部分もありません。

そして何より気になるのが顔中央にあるV字の切れ込み。

常に笑っているようなビジュアルになっているのです。

それでいて平気でTAC隊員の婚約者を殺害して憑依するなど残虐さも兼ね備えています。

最期は真っふたつに切断され、内臓のようなものをこぼす様子はなんとも『A』らしい仕上がりでした。

他にも『ウルトラマンタロウ』に登場した改造ベムスターも気の毒な子です。

『帰ってきたウルトラマン』に登場した初代ベムスターは可愛らしさと怪獣らしさが見事にマッチした傑作怪獣に数えられていますが、改造ベムスターはその要素をこれでもかというほどに剥奪されています。

痩せほそり、目は赤色のみ。改造されてしまった悲哀が絶えず漂っていたのです。

それゆえに印象深い怪獣ではありました

平成以降、こと『ウルトラマンマックス』(2005年)からは過去の人気怪獣が大幅なアレンジなしで登場する機会も増えました。

ここ数年でいえば『ウルトラマンZ』で『A』のバラバの再登場回はその絶妙なチョイス、そしてウルトラマンAの客演もあり大いに盛り上がりました。

こうした事例からは、昭和の人気が芳しくなかった「再登場」の反省を感じざるを得ません。

今回紹介した再登場宇宙人・怪獣たちにはさらに今後、再再登場して活躍して欲しいと願うのがファンの良心的な姿勢なのかもしれません。

ネットの声

「二代目ゼットンに関しては、造形はともかくとして、初代ウルトラマンが郷秀樹の夢の中に現れてゼットン攻略法を伝授するくだりからのゼットン撃破という流れが個人的に胸熱でしたね。
帰ってきたウルトラマン最終話にて初めてウルトラ兄弟というワードが登場し、ウルトラマンたちの絆の深さを強烈に印象づけるエピソードになりました。
また、初代ウルトラマンが一度敗れた相手の対策を完璧に行なっており、怪獣退治の専門家としての矜持を見せつけてくれました。」

「初代ゼットンは「宇宙恐竜」とネーミングされていて、本来は怪獣のはずなのに「ウルトラマンを圧倒した孤高にして沈黙の宇宙人」という雰囲気がとてつもない存在感を出していましたけど、2代目は見事に真逆で「(宇宙恐竜のはずなのに)悪党の雰囲気丸出しの親分に付き従う太った手下」て印象が意図的に付与されていた感があります。ピンチに陥る時の演出も、親分のバット星人が地べたを這いながらウルトラマンの足をすくって、倒れた所を二人掛かりで踏んづける、という愚連隊の喧嘩レベルの展開。瞬間移動と火炎放射で翻弄して、苦し紛れ(の様にも見える)スペシウム光線を吸収して跳ね返すという初代の展開と比較するとその落差にびっくりしますけど、これはこれでラストの「誓い」につなげる為の演出だったのか、と後年納得できたようなできないような、微妙な最終回でした。
そういえばこのラスト、MATは出番無しでしたね。これも初代と対照的です。」

「2代目怪獣・宇宙人の登場は、初代の人気にあやかりつつ、新造ではなくアトラクション用着ぐるみを有効活用しようという、安易な発想から生まれた黒歴史だと思っています。
ウルトラマン「科特隊宇宙へ」のバルタン星人2代目は、初代の着ぐるみを撮影で燃やしてしまったために新造したと記憶しています。
だから全然違う着ぐるみになっても、魅力的な着ぐるみになっていると思います。
帰マン、タロウの2代目(バルタン星人Jrは4代目)は当時試聴していて、初代に対しての冒涜だと思いました。」

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