世界最強戦車…次世代MBT「エイブラムスX」

ベール脱いだ! 次世代MBT「エイブラムスX」世界最強級M1戦車の最新型 アメリカ

アメリカの大手兵器メーカー、ゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(GDLS)は2022年10月9日、次世代主力戦車のコンセプトモデル「エイブラムスX(AbramsX)」を公開しました。

ハイブリッドエンジン搭載と軽量化がキモ

「エイブラムスX」は、GDLSが開発中の次世代戦闘車両群「The Next Generation」の一車種で、6月にはティザーサイトにおいて一部ディテールなどが披露されていたものの、全容が公になるのは今回が初めてです。

特徴は機動性と輸送性を向上させるために軽量化した点で、従来のM1A2「エイブラムス」と比べて約半分の燃料消費量で活動することが可能だといいます。

それを実現するために「エイブラムスX」はハイブリッド仕様のパワーパックを搭載。

これによりアメリカ軍のEV(電動)化戦略をサポートするとともに、隠密斥候(サイレントウォッチ)能力の強化や、静粛機動(サイレントモビリティ)性の向上を図っているそうです。

戦場におけるネットワークの主要なノードとなり得る

また乗員数は既存のM1「エイブラムス」と比べて減っているほか、AIを採用したことによる致死性、生存性、機動性の向上。

有人兵器と無人兵器の統合力(MUM-T)、自律能力を備えることで、同車は「戦場におけるネットワークの主要なノードとなり得る」とともに既存のM1A2SEPv3および同SEPv4から、将来登場するであろう次世代戦車への架け橋として機能するとしています。

あくまでもテクノロジー・デモンストレーター

ただ、説明では「エイブラムスX」はあくまでもテクノロジー・デモンストレーターとの位置づけだとのこと。

公開されている情報では、主砲同軸機銃は12.7mm重機関銃で、ほかにも砲塔上面に遠隔操作銃塔(リモートウエポンシステム:RWS)を搭載可能だといいますが、主砲口径については現時点では発表されていません。

ネットの声

「次世代戦車の必須要件は第三世代と言われる現用戦車以上の「戦場認識力」。
既に陸自の10式でその走りとなる技術が採用されているが、これを更に発展させるべく小型偵察ドローンの発射・回収能力、アクティブ防御力の向上、そしてAIを利用した高度な無人化技術といった処だろうか。
現用戦車の重量化による機動性の低下により装甲防御は限界に達していると考えられる事から水上戦闘艦同様、撃たれる前に撃つ、或いは回避行動がとれる様、センサーノードを駆使した状況認識力がキーファクターになると思う。
このM1の改良モデルの重量がどの程度軽くなっているのか興味深い処だが、先頃独が発表したKF51パンターは59tという事を考えるとさして軽くなってはいないとは考えられる。
現在のウクライナ戦争では戦車始め装甲車両の進撃力がウクライナの電撃的な反撃を支えている事を勘案すれば、「戦車不要論」は暫く影を潜めるだろう。」

「M1最大のボトルネックだった総重量を大きく下げることができることは米軍の戦略・戦術に大きな変革をもたらすことになる。
恐らく米軍が湾岸戦争やアフガンで得た戦訓も糧に検討している次世代戦略に基づいたスペックなのだと思う。」

「M1が搭載するガスタービンエンジンは小型で高出力、信頼性も高いエンジンですが、燃費が非常に悪いエンジンですからね。アメリカ軍も途中で補助動力装置を追加していました。ソ連も一時は同じエンジンを戦車に搭載しましたが、ディーゼルに回帰。M1も次のアップデートではディーゼルに回帰する事は規定路線でした。ハイブリッドエンジンとの事ですが、これが統合推進の様にエンジンは電力供給を担い、電動機が動力を供給するのか、ハイブリッド車の様にエンジンと電動機が各々に動力を供給するのか。どちらなのでしょうね。」

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