愛してやまないビッグシングルバイクの面白さ

スリムでスタイリッシュ、ドコドコ走れる独特の鼓動感……

ヤマハSRやハスクバーナのヴィットピレン701も生産終了となりました。

改めて、ビッグシングルの楽しさはどんなところにあるのでしょうか。

スポーティに走って楽しめるのでしょうか。

ビッグシングルは究極のマイノリティ

ビッグシングル…この他に例えようのない個性の塊のファンのひとりという人も少なくないでしょう。

旧くはノートンのマンクスやマチレスにBSAなどの英国車、1990年代以降のヤマハSRXやビモータBB1(BIMOTA×BMW)の魅力に夢中になった人もいるのでは…。

それでもビッグシングルはとてもマイノリティな趣味なのだと思います。

これまでもロードスポーツは、ヤマハSRやSRX、ホンダはGB400、500などをラインナップしてきましたが、一瞬はブームになってもそれはなかなか長続きしません。

近年、海外メーカーではKTMが力を入れ、傘下であるハスクバーナからもヴィットピレン701などが登場しました。

しかし、規制の兼ね合いなどもあるのかもしれませんが、短命でしたね。

ご存知の通り、バイクのエンジンは、排気量が大きくなると2気筒とか多気筒化して高回転化することで出力を稼ぐのが常套手段です。

しかしこの流れに逆らうかのように、単気筒というエンジンの機能ではもっともシンプルな構造のまま、大きなボア×ストロークで排気量を拡大し、シンプル・コンパクト・軽量などのメリットで対抗していく……いかにもマイノリティ好きなコンセプトがそこにはあります。

1978年から生産されてきたヤマハのSR400も生産終了になりました。

ファイナルエディションは市場でもプレミア価格に。

中古市場に玉数は豊富なはずですが、程度の良いものは今後少なくなっていくでしょう。

排気量を感じさせないコーナリング性能を約束

ビッグシングルは、エンジンの中で大きなピストンが往復しているので、高回転化には限度があり、これすなわち最高速度は稼げないのです。

では何がメリットか。

コンパクトなので軽量、極端にいえば250ccの車格と、それよりちょっとだけしか重くないスポーツバイクに乗れるワケです。

これはコーナリングを同じ排気量の4気筒より速いスピードで駆け抜けることができるポテンシャルを意味します。

もちろん、重く大きくないので扱いやすさは抜群。

ところが、ビッグシングルのエンジン特性が、立ちはだかります。

低い回転域から強大なトルクを発生するのが強みですが、中速域で最大となってから回転上昇してもトルクもパワーも増えません。

一見コレが強みに聞こえますが、旋回中にトラクションでグイグイ曲がるにはパワーバンドが狭いのです。

ビッグシングルではバンクしたまま矢継ぎ早にシフトアップして、中速域手前のトルクやパワーが上昇していく回転域で繋いでいかなければなりません。

また車重などによる慣性力の安定性に頼ることができず、それこそスロットル操作で後輪が路面を蹴って安定するトラクションでしか安定感を得られない……ファンにはこれがたまらないのです。

ビッグシングルの時代が再び…

ヤマハSRやハスクバーナのヴィットピレン701は生産終了になってしまいましたが、ホンダのGB350やロイヤルエンフィールドのメテオ350なども登場し、シングルスポーツが注目を浴びているのは事実。

高齢になるとビッグバイクの車重や大きさはいつか負担になります。

そうしたファンに向け、趣味性の高さと共にビッグシングルがもてはやされる時代がやってくるかもしれません。

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