ジャンプにつづきヤングマガジンが原稿料を公開…その意図と「衝撃の経緯」

講談社が週刊で発行する青年漫画雑誌「週刊ヤングマガジン」が新連載・初掲載された場合の原稿料や連載に関する流れなどを1月5日発売の同誌に掲載した。

青年漫画雑誌の原稿料

公開された原稿料はモノクロ1ページあたりで14300円(税込)以上、

カラーページでは1ページあたり28800円(税込)以上として、

他にも同誌が手がけるWebコミック配信サイト「ヤンマガWeb」や「月刊ヤングマガジン」、講談社発のWebコミック配信サイト「コミックDAYS」の原稿料もあわせて公開した。

漫画業界で出版社が原稿料を公開することは異例のことで、昨年11月にも大手出版社である集英社「週刊少年ジャンプ」が他雑誌連載経験者を対象とした連載・掲載説明会で原稿料や連載までの過程を公開し、話題を集めた。

今回の発表に関してヤングマガジンの編集者は

「作家の皆さんがヤングマガジンに興味を持つきっかけになればと思い、原稿料を公開することを決定いたしました」

とコメントしている。

業界としては異例

集英社が原稿料を公開したときには、業界関係者や漫画家から

「業界として異例ではないか」
「この原稿料は高いが、読者からすると意外なことではないか」

などとコメントが寄せられたが、これまで原稿料が明らかにされていなかったのは、業界ならではの事情があるようだ。

「連載経験の違いなどで個々の作家さんで原稿料が異なり、またそれが個人情報にあたるため、公開しにくかった経緯があります。今回は最低金額という形で公表させていただくこととなりました」(同上)

ヤングマガジンは新連載が多い

ヤングマガジンはこの発表の中で、同誌の新連載の本数が多いことについても言及している。

2022年には新連載が60作品以上で、最も新連載が多い編集部だという。

新連載は、毎月行われる連載会議で3話分のネームや作画資料などをもとに決められる。

基本的にこの流れはどの媒体であっても同じで、連載が決まるまで原稿料などの報酬が発生することはない。

新人の漫画家にとっては、連載が決まるまで経済的に苦しい状況が続くことになる。

「ヤングマガジンは新連載というチャンスが多く、作家さんをサポートする環境が整っています。ぜひ、ヤングマガジンで漫画家を目指してほしいです」(同上)

ヤングマガジンは1980年に創刊され、『AKIRA』『頭文字D』『ザ・ファブル』など人気作品を多数掲載してきた。

今回の発表で漫画業界に新風が吹き、さらなるヒット作が生まれることを期待したい。

ネットの声

「インディーズのミュージシャンと比較すればまだマシな方かもしれない。
ヤンマガに載れる時点がやっとデビューな訳だから、その前が一番厳しいのだろう。路上ミュージシャンの段階か。

どちらもスタートは厳しいが、当たれば青天井。そうした苦労があるからこそ、結果が出た時の喜びはひとしおだね。」

「最近のヤングマガジンの連載が半ば成人誌になっているのが、長年購読していて残念。
表紙にグラビアが多いからか、近所のコンビニでは成人誌コーナーに置かれてしまってるし。原稿料の話とはずれるが、各作品の掲載先については、もう少し内容を考慮して決めて欲しい。」

「同人誌とかやってる人が沢山いるので、てっきり基本切り捨ての世界なのかと思ったけど、募集するほど
「仕事としてちゃんとした漫画を定期的に書ける人」ってのは中々いないんだなぁって昨今思いますね。
休載多い作家さんとかもまぁ、仕方ないのかなぁって思っちゃいますね」

「単純計算してみて欲しい。
こんな金額でアシスタント入れて漫画が描けるとでも?
マジで単価がおかしすぎる。
フルデジタル、背景は素材から引っ張ってくる、で1人ならギリ成り立つ?」

おすすめの記事