白米よりも玄米のほうがいいという幻想…実は要注意

その健康法、要注意です!「白米を玄米に変える」など実は不調を招く可能性がある習慣

予約の取れない漢方家、櫻井大典が伝授する、不調を改善して病気にならないための、食事と睡眠の新常識をまとめた一冊『病気にならない食う寝る養生』(学研プラス)より、最強の健康法の一部を抜粋して紹介します。

玄米が体に合う人は、実はかなり少数です

その健康法、要注意です! 「白米を玄米に変える」など 実は不調を招く可能性がある習慣

玄米は、確かに栄養価が高くいろいろな効能も期待できるのですが、食物繊維がとても多いため、食べる人を選ぶ食材です。

「ビタミンや食物繊維を補いたいから、白米を玄米に変えているんです」と健康意識の高い方はおっしゃるかもしれませんが、食物繊維が多いということは、消化しにくい食べ物なのです。

消化しにくいということは、栄養を吸収しにくい、エネルギーに変えにくい、体の一部に変換しづらいということです。

ですから、今あなたが健康な状態で、もっと健康になるためにと玄米を選ぶのならいいのですが、何らかの不調があるのなら、玄米はおすすめできません。

胃腸が弱い人、便秘、下痢、食欲不振などがある時は摂らないほうがいいですし、また、疲れやすい人や体力が落ちている時なども合いません。

実際、相談者さんの中にも、便秘解消のためにと食べ始めた玄米で、かえって便秘を悪化させている人がいます。

玄米が向いているのは、胃腸が丈夫で、普段から焼肉、ラーメン、から揚げなど、油っこいものばかりを好んで食べている食生活の人です。

ケーキやチョコなどの甘いものが大好きで、よく食べるという人にもいいでしょう。

このような人は体内に不要物が溜まりやすく、また排出もできていないことが多いので、玄米のように食物繊維が豊富なものを積極的に食べてほしいのですが、そういう人たちは白米好きが多いのが皮肉なところです。

胃腸はあまり強くないけれど、できるだけ健康にいいものを食ぺたいという人は、玄米と白米の間の”分づき米“にするといいですよ。

ただし、白米も分づき米もしっかり噛むことをお忘れなく。

グルテンフリー? そんなの気にしなくて大丈夫です

「やっぱり小麦は避けたほうがいいですよね?」と聞かれることが増えました。

グルテンがよくない科学的な理由としては、小腸で消化しにくいからといわれていますが、中医学には”グルテンフリー“という言薬は存在しません。

“小麦イコール悪者”という考え方もないのです。

それどころか、小麦は薬膳的には、心を落ちつかせ、水分代謝を改善して渇きを解消しつつ、下痢を鎮める力があるとされています。

みなさんご存知のとおり、中華料理にも麺類や点心類の皮など小麦を使った食べ物はたくさんあります。

ですから、私は過度に怖がる必要はないと考えています。

小麦を一概に悪者にせず、食べる頻度に気をつけましょう。

同じものを長く食べ続けることは、偏りを生むのでよくありません。

朝も昼もパン、毎日パスタというような食べ方は控えてください。

グルテンフリーという考え方は欧米から入ってきました。

私見ですが、欧米人によい効果が表れた理由としては、あちらは小麦が主食なので、摂りすぎていた人、合わなかった人がその摂取量を減らしたことで、体内のバランスがよくなったのではないかと考えられます。

主食としてお米を食べている私たちは、小麦を極端に避ける必要はありません。

食べすぎないこと、毎日食べ続けないことを意識すれば大丈夫です。

「ネバネバ食材でバワーチャージ」の落とし穴

納豆、とろろ、めかぶ、オクラなどがのったネバネバ丼。

ヘルシーで、なおかつ栄養満点のイメージですよね。

確かにそれぞれの具材の栄養面を考えたら、悪くありません。

ただし、ネバネバ食材は意外と胃腸の負担になります。

なぜなら、ネバネバしたものを食べる時、ほとんどの方はよく噛んでいないから。

あまり噛まなくてもズルズルとのどを通るので、ついつい噛むことを忘れてかきこんでしまうのです。

しっかり噛もうとしても、ねば~っと糸を引く部分を噛んでつぶしきるのは難しいです。

そうなると、小さくつぶすところから、すべて胃で行うことに。本来は歯がすべき仕事を胃がすることになるので、胃はオーバーワークになってしまいます。

疲れている時、胃腸の調子が悪い時に、ネバネバ丼は向きません。

元気な時に、できるだけよく噛んで食べましょう。

ネットの声

「浅知恵で四の五の言っても説得力に乏しい。長い間に人間が自分の体を通して実証したことは説得力がある。白米を日本人が食べ始めた歴史は短い。それまでは玄米か分づきだ。」

「玄米歴長いです。話す機会があると「偉い」とか言われます。こちらはただ好きで食べているだけなのに。嫌いだけれど健康の為にムチ打って食べているなら苦痛でしょうね。確かに体調不良の時は消化しません。白米と違って健康体でないとメリットが無い食べ物なのはうなずけます。」

「玄米もそうだし、最近大人気のオートミールもかなり消化に悪い。私は酷い胃腸虚弱なので、食べると少量でもお腹が張って痛い。玄米とかオートミール、一口100回くらい噛まなきゃいけないんじゃないかと思う。健康にいいものは胃腸の強い人向き。」

病気にならない食う寝る養生 櫻井大典 (著) 学研プラス (2022/7/21) 1,595円

予約の取れない漢方家が教える

結局、「食べて寝る」のが最強の健康法!

予約の取れない人気漢方家・櫻井大典さんが、不調を改善して病気にならないための、食事と睡眠の新常識を教えます。

「水を1日2リットル」「朝食に野菜サラダとヨーグルト」「主食は玄米」「一年中、決まった時間に起きる」「ぐっすり昼寝する」……それ全部、“あなたには”合いません!

人の体は食べたものと睡眠でできています。

細胞は周期の短いものだと数日、長いものでも数年で入れ替わります。

今のあなたの体をつくっているものは、数年経ったらほぼすべてが入れ替わり、まったくの別人に生まれ変わっていると言ってもいいのです。

細胞は摂取した食べ物からつくられ、体の回復はおもに睡眠中に行われます。

そう聞くと、食事と睡眠が重要だと感じませんか?

また、人の体をめぐる気(エネルギー)や血や水も、もちろん食べたものと睡眠でつくられます。

気・血・水のバランスが崩れると、体の不調だけでなく、心の不調も起こりやすくなります。

だから、食事と睡眠は、体調はもちろん、メンタルにも大きく影響するのです。

食事と睡眠をよくすれば、不調が消え、心も安定し、病気にならない体を手に入れることができます。

ただ、巷で流行っている「毎日○○を食べて健康になる」などの健康法すべてが、あなたに合うとは限りません。

むしろ、合わないことのほうが多いくらいです。

本当の「体にいい食事」とは、「あなたの体質や今の体調、ライフスタイルに合った食事」です。

では何が、あなたに合った食事なのか?

本書を読めば、それがわかります。

年間数千件、延べ4万件以上の健康相談を受け、人それぞれの違う悩み(不調、症状)に寄り添ってきた著者だからわかるのです。

ここまで聞くと、「漢方家のすすめる食事や睡眠って、いろいろ我慢してストイックに頑張らないといけないのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

それどころか、ゆるくて拍子抜けするくらいです。

でも、ゆるくて簡単だからこそ、挫折しないで続けられるし、結果、健康になれるのです。

果報は食べて寝て待て。

簡単で、ゆるく実践できる「体も心も劇的に変わる食事と睡眠」を、ぜひあなたも知ってください。

著者について
櫻井大典(さくらい・だいすけ)/国際中医専門員。日本中医薬研究会会員。漢方コンサルタント。漢方薬局の三代目として生まれ育つ。カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後はイスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国の首都医科大学付属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。以降、漢方コンサルタントとして活動し、年間数千件の健康相談を受け、これまで延べ4万件以上の悩みに応えてきた。相談者の話をじっくり聞き、悩み(不調・症状)の根本的な理由を探し、相談者の体質やライフスタイルに合った食事などの生活習慣(養生法)を指導している。Twitterで発信されるやさしいメッセージと、簡単で実践しやすい養生法も人気を集め、フォロワー数は16万人を超える(2022年6月現在)。

「いつも櫻井先生のTwitterや本を見ていますが、食養生に加えて、睡眠のことをこんなに詳しく書かれているのは初めて。不眠ではないけれど、加齢とともに眠りの質が悪くなっているなと感じていたので、すごく参考になりました。普段の食生活が眠りの質に影響していると知ってビックリ。特に生理前に眠れなくなるタイプなので、本書に書かれていた理由に納得できました。黒ごまを積極的に食べようと思います!」

 



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