天翔けるホンダの翼が累計200機達成! ホンダジェットの凄さとビジネスとしての着地点を探る!!
ホンダの航空機事業子会社が販売している小型ジェット機「ホンダジェット」の躍進が止まりません。
小型ジェットは開発や認証等で多額のコストがかかります。
市販化寸前で開発を凍結した企業も存在することからも、この事業がビジネスとして難しいことは容易に想像がつくのです。
そのようななか、ホンダジェットは2021年、累計200機目となる機体を納め、小型ジェット機部門売り上げで5年連続世界ナンバーワンとなりました。
なぜホンダジェットは着実に成長できているのでしょうか。
そして今後の展望は…。
多くは語られることのないホンダジェットのビジネスについて考察します。
目次
5年連続小型ビジネスジェットナンバーワンの売り上げ!
ホンダジェットが快進撃を続けています。
2021年12月に200機目を納機。2021年は12月16日までに28機を販売し、小型ビジネスジェットで5年連続世界ナンバーワンの売れゆきとなりました。
こうなると興味深いのが「利益を上げているのか?」という点。
航空機やジェットエンジンの開発には巨額の費用と歳月を必要とします。
三菱MRJなど予算高騰で開発を凍結したほど。
果たして何機くらい販売すればいいのでしょうか。
結論から書くと「社外秘のため不明」というつまらないことになるのですが、航空機産業の場合、一般的に400~500機くらいから黒字に転じると言われています。
ホンダジェットも藤野道格(みちまさ)社長によれば「2019年あたりから年産80~100機を生産し、5年で黒字化する」。
実際は新型コロナ禍などの影響で2020年以降の生産台数が伸びませんでした。
ということから黒字化はしていないでしょう。
セントレアでホンダジェット pic.twitter.com/C8IrKXAHQM
— いまかろ2 (@y_matchan2001) January 15, 2022
ホンダジェットにライバルはいるのか?
黒字化を急ごうとするなら、現在の2倍ペースの生産規模として3年。
2025年くらいになると思います。
では厳しい状況かと聞かれたら、即座に「いいえ」と答えるべきでしょう。
ホンダジェット、バックオーダーが依然多いうえ、ライバルの登場もなさそう。
参考までに書いておくと、ホンダジェットよりさらに小さいクラスには「ビジョン・ジェット」という魅力的な機体があります。
ビジョン・ジェットはコスパの高い単発エンジンで、航続距離1830km(ホンダジェットの場合は2661km)。
最大巡航高度や速度などプロペラ機とジェット機の中間程度。
緊急事態に備え、飛行機全体をパラシュートで軟着陸させるという画期的な安全システムを標準装備しています。
この機体が性能向上を目指すと厳しいかもしれませんが、単発エンジンのままじゃ難しいでしょう。
話がずれました。
手強いライバルが存在しないホンダジェットの黒字化は間違いないといっていいでしょう。
性能面も向上し、遠からず航続距離で3000kmに近づくと考えます。
そして黒字化したら航空機産業は驚くほど利益率が高いのです。
開発コストがかからず、生産に必要な設備もペイしたなら、作れば作るほど利益が上がるというのです。
しかも5年もすると整備分野の利益だって大きくなってくるでしょう。
ホンダジェット
思ったより小さかった。 pic.twitter.com/Hjss3N6K2y— ヘルパーファクトリー (@HelperFactory) January 12, 2022
新しい機体の導入も
黒字化のタイミングで新しい機体の導入を考えているようです。
ホンダジェットの機体をストレッチ(航空用語で「延長」という意味)して翼幅も広げます。
現行モデルで言うと操縦士を含め8人乗り。
そして最大2661km飛びます。
新しい機材となる「2600」は11人乗り。
5人までのペイロードなら2倍近い4862km飛べるそう。
アメリカ東海岸から西海岸までノンストップ飛行が可能となります。
北米大陸であればどこにでもダイレクトで行けるでしょう。
欧州は北米大陸より小さいので、フルペイロードの11人で移動できるはず。
今後伸びるであろう中国市場だって全土が航続距離に収まります。
プライベートジェットのニーズだけでなく、チャーターフライトや観光用、離島往復の定期便として使っても11人乗れれば利用者の負担コストを引き下げられます。
驚くべきは性能です。
ボディが細いままパワフルなエンジン積むため空気抵抗が小さいので、巡航速度782kmから834kmに上がり、運用高度も1万3106mから1万4326mまで上がれるのです。
B737やエアバスA320と同じくらいの速度を出し、さらに気流が安定した高高度を巡航できるのです。
このカテゴリーで最も売れているセスナ・サイテーションXLSより高い性能を持ちます。
発売する前から世界で最もコスパの高い機体になること間違いなしです。
新しい機材「2600」の開発コストは既存のホンダジェットの利益でカバーできるはず。
そしてホンダジェットの基本構造を流用する2600が順調に売れ始めれば200機くらいで黒字化が可能となるでしょう。
ホンダの航空機部門はホンダにとって安定した収益を上げてくれるはず。
飛行機好きなら1度は乗ってみたいものです。
新型ホンダジェット
HondaJet 2600 Concept
世界初のノンストップでアメリカ大陸を横断可能とするライトジェット機らしい
凄いなぁ!ホンダ!
陸海空の全てを制したホンダ
宇宙事業に参入したり四輪や二輪だけに縛られないスタイルのホンダはやはりホンダ自動車ではなく本田技研工業だと実感させられる— ゆういち (@yuichi220mp4) October 13, 2021
ネットの声
「高齢者の方々向けのシニアカーや農業者向けの取り回しの良い小型耕運機、確か雪国向けの小型除雪機も。もちろんバイクや自動車、さらにはホンダジェットまで・・。ホンダさん、凄すぎます。」
「このジェット機にホンダと言う名前がなかったら、・・・でも売れたでしょうね。しかし、ホンダジェットは、創業者の見果てぬ思いだった空の乗り物を半世紀も離れた世代の社員が実現し、ビジネスとして成功させたと言う。それだけでもレジェンドと言えるくらいの乗り物。本田宗一郎氏の口癖は「世界一になりてぇ」だったそうです。驚くべきホンダイズム!」
「航空機分野は、信頼と実績がモノをいう市場なので、ホンダが小型ジェットで参入できたのは、大成功といっていい。機体原因による大きな事故でも無い限り、着実に成長すると思います。アメリカのように大都市が点在する国や、緊急物資の輸送では、飛行機は無くてはならない手段で、CNで減るどころか、需要は増えると予想されている。先ごろ、マイクロソフトは、再生可能燃料を手掛けるランザジェットに5000万ドルを投資している。日本でもユーグレナがバイオ燃料による飛行テストを開始、25年には生産量を2000倍にするなど、航空業界にも明るい話題が増えている。喜ばしいですね。」