納豆と熱々ごはんの組み合わせが悪いっていうけど…

「納豆と熱々ごはんは悪い食べ合わせ」って本当?

熱々ごはんに納豆をのせて食べると、納豆の酵素や栄養素が壊れてしまうとのウワサがあるようです。

納豆は栄養豊富で健康効果も高い食べ物ですが、栄養学的に悪い食べ合わせというのは存在するのでしょうか?

熱々ご飯に納豆は、避けた方がよい食べ合わせなのか

熱々のごはんに納豆で朝ごはん。夢のような時間に感じられますが、「納豆は熱々のご飯の上にのせると栄養価が損なわれる」と思っている人もいるようですね。

先に答えを言いますと、納豆を熱々ご飯にのせて食べても、さほどの問題はありません。

納豆は納豆菌による発酵で、ネバネバのもとであるポリグルタミン酸や、カリウム、セレン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンKなどがつくり出されます。

これらの栄養素が含まれていることが「納豆は栄養が高い」と言われる理由です。

仮に熱々ごはんにのせてこれらの栄養素のうちの一部が損失してしまったとしても、納豆を食べる価値がなくなるほど損失するわけではないのです。

ごはんの熱さで納豆の酵素が壊れる心配は無用

酵素は厳密には栄養素ではありませんが、気になる人もいると思いますので、説明します。

実は、酵素もさほどの影響は受けません。

理由はその製造過程にあります。納豆は、煮たり蒸したりした大豆に納豆菌を付着させて作ります。

工業的に大豆を加熱するときは、高圧蒸煮缶で蒸煮することが多いのですが、圧力0.11~0.18MPaで40~60分(ひきわり大豆の場合は10~30分)、蒸煮します。

圧力が0.11MPaで121℃を超えます。この加熱方法であれば、大豆は121℃で15分以上、加熱されていますので、雑菌が死滅するのです。

これとは別に、一度煮沸し、納豆菌以外の菌を殺菌した温水に納豆菌を加えて希釈したものを作っておき、蒸煮した大豆に混ぜ込みます。

ここでも、雑菌の繁殖を抑えるために、この時の大豆の温度は70~90℃が適しているとされています。

納豆菌を混ぜ込んだ大豆は、約40℃の発酵室で15~20時間、発酵させます。

一方で、熱々ごはんは、60~80℃で食べるのがおいしいとされています。

すなわち、納豆菌はその製造過程で熱々ごはんと同じか、それよりも高い温度をすでに経験済。

100%の納豆菌が生き残れるわけではないかもしれませんが、熱々ごはんにのせたところで、すべての菌が死滅してしまうような温度ではないので、さほど大きな影響はないのです。

納豆と生卵の食べ合わせは? 栄養学的に問題なし

納豆は、生卵と一緒に食べてはいけないと言われることもありますね。

しかしこれも気にすることはありません。

「納豆と食べ合わせの悪い組み合わせはない」と考えて問題ありません。

納豆にはいろいろな栄養素が含まれているため、さまざまな憶測が飛び交うことも多いのですが、仮に多少、栄養価が落ちてしまったとしても、納豆はそれを補って余りあるほどの栄養素を含んでいます。

自分のスタイルでおいしく食べることを優先してOKです。ご安心ください。

納豆のおいしい食べ方・においや粘りを減らす方法も

食べ慣れるとおいしい納豆ですが、地域によっては「食べる文化がない」など、食べ慣れていない人もいるようです。

においが苦手で食べられないという人も多いようですね。納豆のにおいは、発酵によって作られますが、作りたての納豆はイヤなにおいがしづらいです。

においが少し苦手な方は、納豆を購入したら、できるだけ早く食べるようにしてください。

さらに、粘り気のある食べ物全般が苦手という人もいると思います。

納豆の粘り気は大根おろしと混ぜたり、加熱する料理に使うと気になりにくくなります。

納豆には、整腸作用や免疫力アップ、抗酸化作用などさまざまな健康効果があることが知られています。

細かいことを気にしすぎてしまうと、かえって心身に負担をかけてしまうこともあります。

ぜひ、食わず嫌いをせず、おいしく納豆を食べてくださいね!



おすすめの記事