“年金すらもらえない”就職氷河期世代の暗黒…老後破産の現実味

就職氷河期世代の暗黒「年金すらもらえない」老後破産の現実味

長らく不況に苦しめられてきた日本社会。

アベノミクスによる景気回復の恩恵をまったく感じられないまま、コロナ感染拡大でさらに厳しい生活を強いられてきた人々がいます。

就職氷河期世代「正規で働きたいのに…」が50万人

厚生労働省HP『就職氷河期世代活躍支援プラン』によると、「就職氷河期世代」とは、1990年代から2000年代の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代のことを指します。

1980年代まで、日本は好景気でした。しかし1990年代に入って間もなく、株価・地価が暴落し、バブル崩壊。

企業は人件費の節約・削減のため、一気にその門戸を閉めます。

何百社と面接を受けてもなお採用されず、非正規雇用を余儀なくされた若者が相次いだのです。

実際、内閣府『就職氷河期世代支援の推進に向けた 全国プラットフォーム』より、就職氷河期世代の中心層となる人の雇用形態内訳を見てみると、『正規雇用を希望していながら、現在は非正規雇用で働いている者』が約50万人もいると推計されています。

「日々の生活が不安」…追い打ちをかける「老後破綻の現実味」

非正規雇用かつ、何らかの理由で短時間労働だったり、勤務先の雇用条件が整っていなかったりする場合、就労していても厚生年金に加入できないことがあります。

就職氷河期世代の年金問題は、正規社員になれず、厚生年金に加入していなかった期間が長いというだけに留まりません。

当時、「年金制度は破綻している。どうせ自分たちの時代にはもらえないのだから、払うだけ損だ」という考えが若いフリーターを中心に流行、実際に国民年金を支払っていなかった層も一定数いたのです。

令和2年12月に厚生労働省年金局が発表した『令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、年金の平均受給状況は下記のとおりです。

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厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、令和元年度末現在で、老齢年金は14万6千円となっている

国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、令和元年度末現在で5万6千円、令和元年度新規裁定者で5万4千円となっている

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年金受給額は、現役時代に年金保険料を「しっかり払っていたか?」が直結します。

様々な原因・理由があれど、指定された金額を納めていないままの老後を迎えると、老後破産をはじめ、かなり厳しい生活を余儀なくされることは間違いありません。

労働年齢の「延長」は救済となるか

支える側が「支えられる側」なる未来。経済産業省は「老後も働く」という提案を以って、その構図を変えようとしています。

“高齢者が支え手になれば、無理なく支えられる社会へ
65歳以上を「支えられる側」とすると、2017年に現役世代2.1人で1人の高齢者を支えることに。2065年には1.3人で1人の高齢者を支えることに。

75歳以上を「支えられる側」とすると、2017年に現役世代5.1人で1人の高齢者を支えることに。2065年であっても、2.4人で1人を支えることが可能。”

経済産業省『2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について』(平成30年)

実際、高年齢者雇用安定法の改正によって、65歳から70歳までの就業機会を確保するための努力義務が新設されました。

とはいえ実情を見れば、「嘱託社員になって給与半減」「そもそも再雇用に積極的ではない」という声も聞かれます。

国が働き続けることを推進している一方で、「働きたくても働けない」世代がいる現実。大きな歪みへの対応が求められています。

ネットの声

「前首相は、国会で堂々と「生活保護だってある」と言う位、世の中がわかっていない。もし、50万人もの人が生活保護を申請したら、国は、支払う能力があるのか?いつまでも先送りにしないでちゃんと議論しなきゃいけないのに、都合が悪くなれば、先送り。働く人がいなくなれば、税収も入ってこなくなる。消費税を上げたところで、消費が冷え込めば、当然、税収は、減る。いい加減考えろ。」

「氷河期世代は長期にわたって厚生年金にも入れて貰えずに生きていく為には低賃金長時間労働しか選択肢がなかった人は多かったと思います。この世代がそろそろ絶望して来る時期に差し掛かかって来るので電車の中でも街を歩く時でも常に気を張っています。」

「高齢者の雇用就労については、雇う側の環境や働く側の体力や気力健康状態など、双方に都合や理由が有るのでこの折り合いを付けられるかが鍵になる。国民年金では生活保護より生活条件が悪いのは、早く是正すべき政治案件だと思う。」

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