「とまれ」→「止まれ」気になる道路標示の漢字化

なぜ道路表示を漢字化? 「とまれ」が「止まれ」に変化した訳 2つの意味に相違はあるのか

事故の危険性が高いとされる交差点や道路の合流部分など、一時停止が定められている道路は少なくありません。

そんな一時停止の道路標識には、「とまれ」や「止まれ」の路面ペイントが併設されているのが普通ですが、このふたつの表記の意味に違いはあるのでしょうか。

ひらがなから漢字へ?その背景とは

見通しの悪い交差点や道路の合流部分など、事故の危険性が高いとされる場所には「一時停止」が定められていることが多く見られます。

そんな一時停止の道路標識には、「とまれ」や「止まれ」の路面ペイントが併設されていますが、このひらがなと漢字の表記に違いはあるのでしょうか。

一時停止については、道路交通法第43条において「車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前で一時停止しなければならない」と定められています。

そのため、停止線の手前でクルマを停止させたうえで、左右をしっかり確認しながら走行する必要があります。

また、一時停止すべき場所には、赤い三角形に「止まれ」と書かれた標識が設置されているとともに、路面にも停止位置を示す「停止線」や「とまれ」の文字がペイントされているのが慣例です。

一時停止の標識は街中でも比較的多く設置されているため、クルマやバイク、自転車を運転する人にとっては比較的よく目にしているでしょう。

その一方で、路面にペイントされた「とまれ」の文字は、実は法的効力がない「法定外表示」となっています。

警察庁からの通達

法定外表示について、警察庁の担当者は以下のように説明します。

「法定外表示は、法定の道路標識などによる交通規制の効果を明確にし、運転者に対して道路の状況又は交通の特性に関する注意喚起をおこなうなど、交通の安全と円滑に資することを目的としています」

つまり、法定外表示とは、道路標識などの存在をドライバーにわかりやすく示すもので、いわば道路標識のサポートをおこなうような役割をもっているものです。

「とまれ」のペイントも例外ではなく、一時停止の交通規制の実効性を高めたり、規制が定められているのを運転者にわかりやすく示したりすることを目的として、各都道府県を管轄する警察、または道路管理者が設置しています。

そんな「とまれ」の法定外表示ですが、実はかつて、ひらがなだった「とまれ」の表記が、「止まれ」という漢字表記へと変更されています。

例えば、東京都杉並区の永福町駅付近では「とまれ」が消され、その上から新たに「止まれ」がペイントされている道路が見られます。

「とまれ」の表記については、SNSでも「なんで漢字とひらがなの2種類があるんだろう…」「ひらがなの『とまれ』もあるの?」といった声が挙げられており、疑問に感じている人は少なくないようです。

このように、現在では漢字とひらがなが混在している「とまれ」の表記ですが、ふたつの表記の間には、意味の相違などはあるのでしょうか。

前出の警察庁の担当者は、「とまれ」の表記の変化について以下のように話します。

「法定外表示が無秩序に設置された場合には、法定の道路標識等の整備効果を低下させるおそれがあります。
そこで、一定の法定外表示について、設置様式の可能な限りの斉一化を図ることとし、一時停止に関しては、1998年に『止まれ』の文字表示の様式を各都道府県の警察に通達しました」

つまり、「とまれ」と「止まれ」は意味が異なるものではなく、警察庁からの通達により、全国的に漢字表記で統一した結果、現在ではまだ漢字に変更されていない箇所もあり、ひらがなと漢字が混同しているという状況になっているようです。

どうして漢字表記に?「止まれ」に変化した意図とは

では、表記がひらがなではなく、漢字に統一されたのには、どのような意図があるのでしょうか。

まず、前提として法定外表示は前述の通り、運転者に交通規制をわかりやすく伝える役割を持っています。

その点を考慮して、「とまれ」は、走行中に判読できたのが「止」のひと文字だけだったとしても運転者に意味が伝わるとして、「止まれ」に変更されたといわれています。

たとえ、一時停止の標識に気が付かずに、停止線の手前まで走行してしまったとしても「止」のひと文字だけでも認識できれば、運転者はその場所で止まる必要があることを瞬時に理解できるでしょう。

わかりやすさはもちろん、運転者に交通規制の存在や内容を可能な限り、瞬時に知らせることが望ましいとして「とまれ」は漢字表記に変更されたといえます。

場所によっては、まだひらがな表記の「とまれ」も存在します。

今後の変化について、前出の警察庁担当者は「法定外表示の設置については、各都道府県の警察、または道路管理者が、個別の道路交通状況等を踏まえて適切に判断するものと承知しています」といいます。

ちなみに、一時停止の道路標識自体にも「止まれ」の日本字のみの様式と、外国人にも意味が伝わりやすいように配慮された「STOP」の英字を併記した様式の2種類があります。

今後も標識や標示は、交通規制の実効性をより向上させたり、運転者への伝わりやすくしたりするために変化していくのかもしれません。

一時停止が定められている場所では、表記の仕様にかかわらず、一度完全にクルマを停車させ、安全な走行を心がけましょう。

ネットの声

「自分が小2?小3の頃、地面に縦に書かれている「一旦停止」を「一日一停止」って読んでて「交差点の度に止まらなきゃいけないのに、何で一日一回で良いんだろう?」って思ってたのを思い出した。」

「止の一文字だけで瞬時に分かるというのは納得。漢字の方が感覚的に厳しいというか。平仮名だと何となく優しい感じだし。「止まりなさい!」と「とまってね?。」ってイメージ。いや私はどちらでも止まってますけどね。」

「「止まれ」「とまれ」にしても止まらない人いっぱいいる。字が読めないのかな?事故りたくないから、一時停止で止まった瞬間に後ろからクラクション鳴らす、追い抜く方いますけど歩道から自転車出てきたら死亡事故だよ。自分は、恐ろしくてそんなことできない。」



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