大メーカーを「救った」「変えた」! たった1台で革命を起こしたクルマ3選
名車と呼ばれるクルマは数多いが、その中でもメーカーの危機を救ったり、メーカーの方向性を決めたり、メーカーのイメージを決定づけたりというようなターニングポイントとなった車種も存在します。
目次
メーカーの未来を決定づけたと言っても過言ではないクルマたち
そこで今回は、そんなメーカーが生まれ変わるきっかけとなった革命的な名車を独断と偏見でピックアップしてみました。
1)マツダ・デミオ(初代)
バブル景気に乗って多チャンネル化を実施し、全体的な販売台数の底上げを狙った90年代のマツダ。
しかしバブル景気は崩壊し、各チャンネル向けにリリースした兄弟車はイマイチ個性のわかりにくい中途半端な仕上がりということで、販売台数の底上げどころか経営危機に陥ってしまったマツダ。
そんなマツダを救ったのが、1996年に誕生した初代デミオ(現MAZDA2)です。
すでにリリースされていたコンパクトカー、オートザム レビューのプラットフォームを流用しながらも、使い勝手のいいコンパクトワゴンとし、クラスを超えた荷室容量と立体駐車場にも対応する全高というスタイルで、加飾を抑えた道具感のあるシンプルなルックスも相まって一躍人気車種となりました。
この大ヒットはマツダの経営危機を救うほどのものとなり、当のデミオも時代に合わせてモデルチェンジごとに微妙にキャラクターを変えることでその存在感を示し続けてきたのです。
現在販売中のMAZDA2の前身となる4代目モデルでは、新たにプレミアムコンパクトというキャラクターと、ライバルにはラインアップされないディーゼルエンジンを持ち、未だに根強い人気を誇っています。
マツダ・デミオ 軽快なハンドリングと欧州風の粘る足回りを作りこんだZoomZoomなコンパクトカー。荷室後席の狭さやチープな内装が玉に疵だが、2人で乗るカジュアル実用車として、純粋な走る楽しさが詰まっている。走行浅の高年式車はねらい目pic.twitter.com/qP6ZlRoa2E
— 偏見で車を語るbot (@henken_car) October 14, 2021
今では革命児的扱いでも当時はキワモノだった
2)トヨタ・プリウス(初代)
今ではクルマに興味のない人でも、ハイブリッドカーの代名詞として浸透している感のあるトヨタ プリウス。
しかし1997年に初代モデルが登場した時点では当然ながら量販市販車初のハイブリッド車ということで、今のような人気のモデルではなく、“新しいもの好きが買う特殊な車両“というイメージが強かったのです。
実際のところ、5ナンバーサイズのセダンとしては215万円という価格は高額で、同時期に販売されていた3ナンバーセダン(2.2リッター)のカムリグラシアの218.8万円に匹敵するものでした。
また、当時のプリウスは今のハイブリッド車のようにパワフルなモーターで発進時に強力にパワーをアシストしてくれるようなものでもなく、動力性能的にも平凡な仕上がりだったため、28.0km/L(デビュー時のカタログ値)という驚異的な燃費性能以外は一般ユーザーによって魅力的な点は少なかったと言えます。
実際、初代プリウスは販売台数ランキングのトップ10に入ることは一度もなかったのですが、それでもトヨタは改良を重ね、2000年のマイナーチェンジでは車両型式がHNW10からHNW11に変わるというフルモデルチェンジに匹敵するレベルで変更をするなど、大切に育ててきたのです。
その結果、現在ではトヨタのラインアップのほとんどでハイブリッド車が選べるようになり、プリウスもハイブリッド車の代名詞として認知されるまでになったというワケです。
通りすがりのトヨタディーラーにて。
綺麗な整備工場の中にポツンと、初代プリウスが置いてあった。数名のメカニックが周りを取り囲んで何やら喋っていた。
初代プリウスに漂うオーラと貫禄は、歴史的名車のそれだった。 pic.twitter.com/z7ryC9AFop
— toshicccccccccccccccccccccccccc (@toshicarz) November 19, 2021
100%モーター駆動のEV
3)日産ノートe-POWER
比較的安価な価格と広い室内でスマッシュヒットを記録していた2代目ノートに、2016年11月のマイナーチェンジのタイミングで追加された「e-POWER」モデルは、エンジンは発電専用とし、100%モーター駆動の電気自動車的な走り味が楽しめるクルマとして瞬く間に大ヒットを記録したのです。
日産はそれ以前も量販電気自動車であるリーフをリリースしており、「電動車=日産」というイメージは持っていたが、このe-POWERの大ヒットによってそのキャラクターをより強固なものにしたと言えるでしょう。
なお、e-POWER追加後のノートは約30年振りに月間販売台数ランキングのトップを獲得し(2016年11月度)、2017年度の販売台数もコンパクトセグメントで20年ぶりの1位となるなど破竹の快進撃をみせたのです。
そして2018年2月にはミニバンであるセレナにもe-POWER仕様が追加されるのですが、これは当初予定されておらず、ノートe-POWERの大ヒットによって急遽搭載が決定したとも言われています。
それほどにノートe-POWERが日産に与えた影響は大きかったと言えるでしょう。
おはようございます!
本日は11月15日(月)(友引)です!
カーオブザイヤーノミネート車4台目。
去年FMCし待望のプロパイロットを搭載しe-POWER一択に。今年に入りオーラやオーラNISMO オーテッククロスオーバが登場し快進撃を見せた。個人的に良いポイントは助手席回転シート仕様のラインアップが豊富な点 pic.twitter.com/kKuRqxyU3Q— 桜吹雪ノ舞(今本当にヤバい… ヘルプミー…(無理です)(人生エ) (@Sakurahubuki89R) November 14, 2021
ネットの声
「初代デミオは個性があって主張がありましたね。バスケ選手のCMもそうですが、SUVのようにごついスタイルも、全高も意図をもって企画されていました。今のマツダ2は上質で高価な小型車ですが、個性という意味では薄い気がしますね。狙いなのかもしれませんが。」
「デミオはフェスティバのシャーシをキャリーオーバーしてあったんで、あれだけ売れればマツダはウハウハだったでしょう。クルマとしても良く出来ていましたよね。試乗したけれど、シートが分厚くて座り心地が良かった記憶があります。」
「初代デミオは良かったと思う。1.5Lのモデルに乗ってたけど、エンジンなんかは軽快に回るでもなく音もガサツな割に軽量ボディで走りは軽快、四隅は見切りがしやすく内装は質素そのもの。ボディサイズの割にやたらと荷物積めるしシートがフルフラットにも出来るという正に道具としては秀逸な造りでした。」