「良いシーン」しかない映画的純度の高さに悶絶…年の離れた男女の恋模様 「リコリス・ピザ」を採点!
脚本・監督は『ファントム・スレッド』のポール・トーマス・アンダーソン。実在の人物や出来事を背景に、年の離れた男女の恋模様を綴る青春映画。
134分。
目次
〈あらすじ〉
1973年のハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。子役として活躍している15歳の高校生ゲイリー(クーパー・ホフマン)は、25歳のカメラマンアシスタントのアラナ(アラナ・ハイム)に一目惚れし、強引に食事に誘う。
野心家のゲイリーは、子役仲間とウォーターベッドの販売を開始する。アラナに仕事を手伝ってもらったにも関わらず、商売が軌道に乗ると、ゲイリーは他の女の子に手を出してしまう。
傷ついたアラナはゲイリーから距離を置き、カリフォルニア市長選挙のボランティア活動に参加する。
〈批評〉
中野翠(コラムニスト)
★★★★★
70年代の南カリフォルニア。当時の音楽とファッション。怪優、いや、快優だったP・S・ホフマンの息子が主演とは!
芝山幹郎(翻訳家)
★★★★★
いつまでも聴き続けていたいLPレコードのような映画。幸福感が溢れる。人の鼓動と時間の脈動は、かくも響き合うものか。
斎藤綾子(作家)
★★★☆☆
我武者羅な行動で失敗しても大笑いが許される昔が懐かしい。流れる音楽と、切実に互いを必要とする抱擁にほっこり。
森直人(映画評論家)
★★★★★
「良いシーン」しかない映画的純度の高さに悶絶。甘い幻想の70’sカリフォルニアで等身大に輝くアラナ・ハイムが眩い。
洞口依子(女優)
★★★★★
映る全てに彩る煌めき。まるでレコードに針を落とし聴き入る瞬間の恍惚にも似た感動。ルーカスのアメグラ以上の衝撃。
『リコリス・ピザ』では見るからに胡散臭い男が主人公にウォーターベッドを売りつける。この役、てっきりプロの俳優が演じていると思っていたら、何とレオナルド・ディカプリオの実のお父さん。今まで映画出演はなく、これが役者としてのデビュー。なぜ急にこの映画に出るつもりになったのか不思議 pic.twitter.com/ttXU62LNgQ
— コルレ尾根 (@Tori_Corleone) July 1, 2022
『リコリス・ピザ』(米)
7月1日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
ネットの声
「故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子とハイム姉妹と言うだけでも興味を惹かれるが、制作サイドが実際に経験してきた歴史に当てはめてのストーリー展開は見物」