考えてみたら免許センターって不便な場所にあるよね…

運転免許試験場はなぜ不便な場所に多い?

「行きづらい」声多数もあえて郊外に存在する理由とは

運転免許を取得するためには、各都道府県の運転免許センターや運転免許試験場で試験を受ける必要があります。

そんな運転免許センターおよび運転免許試験場は、なぜ行きづらい場所に設立されることが多いのでしょうか。

免許センターが郊外に多いのは「土地」が関係

運転免許を取得するためには、住民票がある各都道府県の運転免許センター、もしくは運転免許試験場での検定に合格する必要があります。

運転免許センターと運転免許試験場は、名前こそ異なるものの、役割はほぼ変わらず、主に免許の更新・取得・再交付手続きなどを受けるための施設です。

よって、運転免許を所得している人であれば、一度はこれらの施設を利用したことがあることでしょう。

そんな免許センターですが、全国各地のユーザーから共通して見られるのが「立地があまり良くない」という意見です。

免許センターの立地については、SNSでも「公共交通機関でのアクセスが悪い…」「免許センターに行くために免許がほしいくらい」という声が挙げられています。

では、免許センターは、なぜ都道府県の中心部ではなく、郊外へと設置されることが多いのでしょうか。

群馬県前橋市・栃木県鹿沼市・福岡県福岡市の3つの県の免許センターおよび、警察署に調査したところ、三者揃って「免許センターや試験場には土地が必要だから」という、当然といえば当然の回答が返ってきました。

たしかに、免許センターに行くと自動車教習所のようなとても広い試験コースを見ることができます。

一方で、試験用のコースといっても、免許センターのコースで実際に運転の試験を受けたことがある人はそれほど多くはないかもしれません。

では、試験用のコースはどのような場合に活用されているのでしょうか。

栃木県の運転免許センター担当者は、試験用コースを利用するユーザーについて以下のように話します。

「運転免許センターでは、学科の試験だけを受けるという人がほとんどです。
しかし、なかには『一発免許』で運転免許を取得する人もおり、試験用のコースはそうした場合に活用されています」

運転免許の取得には、実践的な運転技術である「技能」と、道路交通法などの運転にかかわる知識である「学科」のふたつについて基準を満たしていることが求められます。

つまり、運転免許を取得するためには、免許センターおよび、試験場において、技能と学科のふたつの基準に合格する必要があります。

ただし、自動車教習所のなかでも、道路交通法第99条に基づいて、各都道府県の国家公安委員会から指定を受けた「指定教習所」では、卒業と同時に技能の基準を満たしていることが認められるとされていることから、指定教習所を卒業すると、免許センターでの技能試験が免除されると定められています。

そのため、実際に免許センターで技能試験をおこなう人はそれほど多くはありませんが、本来的にいえば運転免許は、免許センターでの学科および技能試験に合格することで得られるものであるため、各免許センターには試験場を併設する必要があります。

したがって、免許センターには広大な土地が必要であり、結果として郊外に設置されることが多くなるといえます。

超難関!? 一発免許を受けるのはどんな人?

公安委員会指定の自動車教習所を卒業し、免許センターでの技能試験を免除することが一般的となっているなか、「一発免許」を取得する人はどのようなケースが考えられるのでしょうか。

なかには「腕試し」で受ける人もいるようですが、教習所に通うことのできない、特定の事情がある人が一発免許を選択しているようです。

例えば、多忙な芸能人など、教習所に定期的に通うことが困難な人などがそれに当たります。

指定教習所では、原則として、初めて教習を受けた日から卒業まで9か月という有効期限が定められていますが、時間が取れず有効期限を過ぎてしまう場合があります。

そのような人の場合、再度教習所に通うことも難しく、一方ですでにある程度の教習を経ていることから、一発免許を選択することがあるようです。

また、費用面から一発免許を選択する人もいるようです。

一般的な指定教習所では、AT限定免許で約30万円、MT免許で約32万円が教習費用の相場となっています。

しかし、一発免許は、普通車の場合では、普通仮免許試験が5500円、普通免許試験が5400円、取得時講習が1万5400円となっており、かかる費用は合計で2万6300円であり、何度でもチャレンジすることができることから、理論上は10回程度のチャレンジで合格できれば、教習所に通うより安価で運転免許を取得できることになります。

さらに、交通違反によって免許取り消し処分を受けてしまった人も、一発免許を選択する場合が多いといわれています。

いずれにせよ、まったく運転スキルのない状態から試験に合格することはかなり難しく、実際には、普通二輪から大型二輪への限定解除、クルマのAT限定からの限定解除など、もともとバイクやクルマを運転するスキルがある人が、関連する免許の取得のためにチャレンジする例がほとんどのようです。

一発免許は、教習所に通うことができない事情がある人にとってはメリットがある一方で、ネット上では「一発免許の合格は難しい」という声も多く見られます。

特定の事情がある人をのぞいて、指定教習所に通って運転免許を取得することが無難であることは間違いないでしょう。

ネットの声

「警察OBの年配者が主に現場での案内・講習などを担当しているが、あまりに態度が横柄な人も多い。先日免許の更新時に対応した人は、まるでこちらが容疑者であるかのような扱い・物言いだった。
彼らからすれば、ほとんどの免許更新者は年下の人間であるが、公共的な特性があるもなので、せめて最低限、丁寧語を用いるなどの配慮は必要に思える。」

「文中で栃木県の試験場が出ましたが、立地条件には驚きました。最寄り駅が東武鉄道の楡木駅という無人のこじんまりとしたところ。近くの試験場行きのバス停まで徒歩10分、その後10分?15分乗って到着。行程の長さから「早く免許取りたい、、、」と思いが一層強くなりました。」

「逆にアクセス環境の良い都会に作ったら、手続き者の車の渋滞で周辺からクレーム来ると思うけど…
免許更新だけで、受付時間に制限があるから駐車場に入れるだけで渋滞。
これが毎日だったら、周辺のお店はたまったもんじゃないでしょう。
受付時間が決まっているぶん、それ以外の時間帯は閑散としているけど、迷惑施設扱いされてもおかしくないしなぁ」



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