読む人を幸せにする名著として名高いアランの幸福論です。
哲学の教師をしながら執筆活動、公演活動を精力的にこなし、その文章は膨大な数に及んでいます。
その中から「幸福」をテーマにして編さんしたものが幸福論なのです。
第一次大戦の前後に書かれた文章が多く、100年以上前のものになるのですが、その言葉は現代においても色あせることのない珠
玉の名言として語り継がれています。
まさに、今現在悩んでいて、そして幸せになりたい人が読むべきものなのです。
Contents
幸福論は幸せになりたい人必見の書
負の感情は自然には湧いてこない…「負の感情は自分で作っているんだ」
悩み始める、ということで負の感情が芽生えることがあります。
当然自分で作り出しているものですから、それを振り払うことで負の感情を押しとどめることができます。
シンプルな言葉ですが、アランの幸福論の中でも名言中の名言とされています。
あまりにも有名なこの言葉に世界中の人が勇気づけられてきたのです。
幸福は降ってくるものでも与えられるものでもない
この言葉は幸福は自分で作るものなんだという言葉で結んでいます。
他人(あるいは肉親)から与えられた幸福というものはすぐに飽きてしまいます。
しかし、自分が何かをすることによって得たことよる幸せな気持ちというものは後々まで褪せることはないのです。
一つのことを成し得た達成感こそが、幸せを実感することができるということです。
嫌なことを我慢するよりも進んで行う
嫌なことは避けたいものですが、それを率先して行うことで先々の幸福が見えてくるということです。
この言葉の後に、幸福の土台ができると結んでいます。
このような幸福の土台ができるとさらに次へのステップができて目標を立てやすくなるのです。
悲しみに浸ってはいけない
「悲しみは病気だと思えば、すぐに抜け出せる」ということです
悲しみはなかなか抜けないと思う人も多いことでしょう。
精神的な痛みを、肉体的な痛みと同じと思ってしまえば、嫌な言葉や気に障る言葉も時間の経過とともに気にならなくなります。
さらに、時間の経過で解決させるのではなく、自分がそれを気にしないということで解決させる方法もあるのです。
そもそも悲しみも病気なのですから、そのうち治るだろうと楽観的になることが必要ということをアランは説いているのです。
幸福だからうまくいくんだよ
この文章の前に「ものごとがうまくいくから幸福なのではなくて」という言葉があります。
幸福だからすべてがうまくいくということですから、ここから幸せの連鎖が起こるのです。
これは恋愛関係にも合致していて、相手に喜びを渡すと、その喜びが自分にも返ってくるのです。
恋愛に対しては感情などのギブアンドテイクがもっとも効果的と言えます。
情報過多の中で食傷気味の現代人において、アランの幸福論はいかにもシンプルでなおかつ的確で私たちの心に響きます。
使い古された内容、わかりきった内容と思いながら基本に立ち返らせてくれる心地よさを感じてみるのもいいと思います。
岩波書店 (1998-01-16)
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