炎舞館の殺人 月原渉 (著) 新潮社 (2021/7/28)

死体は〈灼熱密室〉で甦る!

欠落を抱える者たちが陶芸で身を立てる山奥の函型の館。

師匠が行方不明となり、弟子たちの間で後継者をめぐる確執が生じる。

諍いが決定的になったとき、窯のなかでばらばら死体が発見された。

奇怪なことに、なぜか胴体だけが持ち去られていた。炎の完全犯罪は何を必要とし、何を消したのか。

過去の猟奇事件と残酷な宿命が絡み、美しく哀しい「罪と罰」が残される――。

ラストの1行に慟哭が響く。「このように生きるしかなかった者たち」への著者の深い共感が、全編をつらぬく本格ミステリー。


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