ヒポクラテスの試練 中山七里 (著) 祥伝社 (2021/12/10) 792円

伝染る謎の〝肝臓がん〟が日本を襲う。

法医学の権威・光崎教授をうろたえさせた未知なる感染症とは?

法医学ミステリー第3弾

死因はMRIにも映らない、急激に悪化した肝臓がん?

浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授のもとに、急死した前都議会議員の司法解剖の依頼がきた。

埼玉県警の古手川が捜査すると、毒殺の疑いが浮上。

だが光崎は、別の死因をつきとめる。

法医学の権威の動揺ぶりに、得体の知れない恐怖を感じた助教の栂野真琴たち。

さらに、都議会関係者から第二の犠牲者が!

「1地方都市での何気ないひとつの事案が、一大スキャンダルへ……。そこまでの事件を突き詰めていく思考過程の描写が、素晴らしい。医学的描写は、専門用語を使っていても理解しやすく、また心理描写も生き生きとしている。テレビドラマになれば誰が演じるのか、とも考えが及んだ。」

「解剖の腕が超一流で、今まで数々の刑事事件を解剖所見から解決してきた斯界の権威である光崎藤次郎。そんな彼がある司法解剖で寄生虫を発見する。最悪のパンデミックを想定し感染源の特定を急ぐ光崎教授だが、今回は一筋縄ではいかなかった。」

「おなじみの浦和医大法医学教室と埼玉県警のメンバーでありながら、今回は世界的なパンデミックが予想されるということで、アメリカまで話は広がる。
単に解剖だけでなく、まだ発症していない人物達を巻き込んでいく展開は新しい。
パンデミックをベースに、人種差別の背景をいたるところにちりばめながら話は進む。
ラストの展開としては、もっと先まで知りたいという思いを残しながらの終わりは物足りなさもあるが、新型コロナと同等にまだ先の展開がどうなるか分からないと思えば納得もできる。
感染症ミステリーとして、真実に迫っていく過程も楽しめる。」


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