日本人特派員、土井垣侑が降り立ったソ連は“特ダネ禁止”の地だった。
謎に包まれた帝国で監視の目を潜り、取材を開始する土井垣。しかし、その周囲では次々に不可解な出来事が起こる──。
ソ連崩壊という世界的スクープを報じた斎藤勉をモデルに、魑魅魍魎が蠢くソ連崩壊前夜を圧倒的リアルで描き尽くす。
今、読むべき本物のインテリジェンス小説!
諜報、盗聴、罠、駆け引き、裏切り……
“ソ連崩壊”を世界に先駆けて報じた日本人記者が見た「真実」とは?
「どうやら、この国のことを少し甘く見ていたらしい──」
吉川英治文学新人賞を受賞した『ミッドナイト・ジャーナル』、直木賞候補となった『傍流の記者』。
気鋭の著者が放つ、極寒の氷をも溶かす熱き闘いの物語!
解説は、保守派に換金されたゴルバチョフの生存情報の第一報を伝えた、当時、在ソ連日本国大使館の三等書記官だった作家の佐藤優さんです。
本城雅人『崩壊の森』を読んで、改めて、言論の自由の大切さを痛感させられた。香港に生きる人々の思いの切実さも伝わってきた。
— 佐藤竜一 (@12842987) August 18, 2019
「ペレストロイカからソ連崩壊までを取材した産経新聞の斎藤勉がモデル。スポーツもの、ミステリーものを得意とする著者としては珍しいテーマであるだけでなく、そもそも、あの時代のソ連をテーマにした小説自体があまりない。その上、そのユニークさだけではなく、斎藤勉の経験をもとにしたリアリティがとても面白い。」
「ソ連時代の新聞記者特派員として赴任した主人公。前任者からはスクープ禁止の場所だと言われ、今では考えられない数々の取材への障害がある中、連日ロシア人とバーで飲み明かすなど独自の人脈を構築し、いうれ数々のスクープを発表していく。ただその過程においても、外国人の美女によるスパイ疑惑や、仲間と思っているソ連の人物への疑惑など、登場する人物達への興味も尽きない。」
「まるで実話のごとく。ソ連が崩壊しゴルバチョフからロシアのエリツィンに。激動の中を記者はスクープを求め、走り続ける。熱きウォッカ人脈。迫真の記者魂がここにある。その取材活動は根強く積み重ね、ずばっと切り込んでいく。KGB、スパイ、尾行、家宅侵入などのサスペンスがころがりこんでくる。妻との出会い、結婚。
記者である夫を献身で支える妻。そして、現地で出会った仲間たちやネタ元との友情がここにある。」
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