人工知能が俳句を詠む AI一茶くんの挑戦 川村秀憲(著)、山下倫央(著)、横山想一郎(著) オーム社 (2021/7/7)

人工知能が俳句を詠む日はいつ訪れるのか。

現在の人工知能はどこまでできて、できないのかを、俳句を詠むAIの開発を通して迫る。

突然ですが、

  • 見送りのうしろや寂し秋の風
  • 病む人のうしろ姿や秋の風

このふたつの俳句が松尾芭蕉と人工知能のどちらの作品かわかるでしょうか。

本書は、現在も精力的に研究の進む人工知能について、俳句の生成という視点から現在の研究・開発動向を解説するものです。

コンピュータを用いた俳句の自動生成は1968年のCybernetic Serendipityというコンピュータアートの展覧会に端を発し、近年では小説を生成する「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」などとともに、人工知能による文学生成研究のひとつとして進められています。

俳句という身近でわかりやすいテーマであるため、TVや新聞などのメディアでも取り上げられるなど、人工知能による俳句生成は現在注目が集まっています。

本書では、実際に俳句を生成する人工知能である「AI一茶くん」を研究・開発している著者らが、現在の人工知能技術の動向から創作分野における人工知能の展開、俳句をどのように人工知能に解釈させ、生成するのかを具体的に解説します。

そして「AI一茶くん」の活動の紹介を通して、現在の人工知能がどこまで達成し、なにができていないのかまで見ていきます。

人工知能がどんなことをできるのか気になる方、とくに人工知能の創造性について興味のある方にピッタリの1冊となっています。

もちろん人工知能がどんな俳句を生成するのかが気になる俳句好きの方にもわかりやすく、ていねいに解説しています。

〈主要目次〉

はじめに

第1章 人工知能が俳句を詠む日
かおじまいつきとにげるねばなななな 二〇一七年春 AI一茶くん

第2章 人工知能の歴史と未来
はつ雪や下駄屋の前にきのふけふ 二〇一七年秋 AI一茶くん

第3章 人工知能を実現する技術
又一つ風を尋ねてなく蛙 二〇一八年春 AI一茶くん

第4章 人工知能と創作
かなしみの片手ひらいて渡り鳥 二〇一八年夏 AI一茶くん

第5章 俳句の人工知能的解釈
蕗の薹散らしてゐたる会釈かな 二〇一九年春 AI一茶くん

第6章 俳句を生成する人工知能、AI一茶くんの仕組み
初釜やひそかに灰の美しく 二〇二〇年新年 AI一茶くん

第7章 AI一茶くんの活動
宙吊りの東京の空春の暮 二〇二〇年春 AI一茶くん

第8章 人工知能と俳句の未来
西行の爪の長さや花野ゆく 二〇二一年春 AI一茶くん

おわりに
付録 AI俳句百句選
付録 AI一茶くんのメディア掲載


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