「ジョー」のモデルと呼ばれた男 葛城明彦 (著) 彩図社 (2022/3/1) 1,540円

漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈のモデルにもなったとされる稀代の天才ボクサー・青木勝利。

その知られざる栄光と挫折の軌跡。

「俺にとってボクシングは、青木さんがすべてだった。青木さんがいたから、俺はボクサーになって、世界へも行けた」
(元WBC世界フェザー級、WBA,WBC世界Jrライト級チャンピオン 柴田国明)

ファイティング原田、海老原博幸、藤猛など幾多のスターが生まれた1960年代の日本ボクシング黄金時代。

その中にあって、ひときわ人気を集めたボクサーがいた。

〝メガトン・パンチ〟青木勝利である。

少年院でボクシングに出会い、退院後にジムに入門。連戦連勝で瞬く間に頭角を現し、わずか19歳で東洋王座を獲得。

しかし、その類まれなる才能とは裏腹に、極度の練習嫌いでたびたび失踪し、試合当日に酒を飲んでリングに上がることすらあったという。

連続KO勝利の日本記録樹立(当時)、バンタム級史上最強の王者エデル・ジョフレへの挑戦、ライバルのファイティング原田との世紀の対決、そしてスターの座からの転落……。

「ここまでジョーと経歴が酷似するボクサーとは知らなかった。不良少年で、少年院でボクシングを覚え、商店に勤めながらオンボロ弱小ジムからデビュー。バンタム級選手として活躍し、KOで連勝街道を驀進しながら、宿命のライバルにはKO負け。再起して東洋バンタム級タイトルは獲得するが、ドランカーになって世界の名王者には敗れる。なるほど、梶原はおそらくこのボクサーの経歴をなぞってジョーを書いたのだろうな、と思った。引退後の生活との落差の大きさにも驚いた。」

「ジョーのモデル云々よりも、青木勝利の激動の物語です。酒に逃避する実力派ボクサーの堕落を克明に描いており、引き込まれます。」

「青木、海老原が天才肌だったのに対し、原田は素質には恵まれなかったが酒タバコは一切やらず女性問題とも無縁で真面目一筋だったという。原田は後に世界ボクシング殿堂入りしている。最後はコツコツと努力を重ねる人が勝つのだと改めて思わされた。」


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