古代中国の24時間 柿沼陽平(著) 中央公論新社 (2021/11/18) 1,056円

秦漢時代の衣食住から性愛まで

始皇帝、項羽と劉邦、武帝ら英雄が活躍した中国の秦漢時代。

今から二千年前の人々は毎日朝から晩まで、どんな日常生活を送っていたのだろう?

気鋭の中国史家が史料を読み込み、考古学も参照しながら、服装、食事から宴会、セックス、子育ての様子までその実像を丸裸に。

口臭にうるさく、女性たちはイケメンに熱狂し、酒に溺れ、貪欲に性を愉しみ……驚きに満ちながら、現代の我々とも通じる古代人の姿を知れば、歴史がますます愉しくなる。

柿沼陽平
1980年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。University of Birminghamに留学。早稲田大学大学院文学研究科に進学し、2009年に博士(文学)学位取得。早稲田大学助教、帝京大学専任講師、同准教授などを経て、早稲田大学文学学術院教授・長江流域文化研究所所長。専門は中国古代史・経済史・貨幣史。2006年に小野梓記念学術賞、16年に櫻井徳太郎賞大賞、17年に冲永荘一学術文化奨励賞を受賞。著書に『中国古代貨幣経済史研究』(汲古書院、2011年)、『中国古代の貨幣』(吉川弘文館、2015年)、『劉備と諸葛亮』(文春新書、2018年)、『中国古代貨幣経済の持続と転換』(汲古書院、2018年)など。

「「普通の研究者だったら10年あれば洗い出せる」という、系統的に調べることがほぼ不可能な2500-1500年前の文献と考古学的史料の塊を、著者の驚異的なパワーと情熱で網羅的に再構成した驚愕の一作。2000年前の人々の暮らしをここまで鮮明に蘇らせるものかと、10ページごとに思っては新鮮な感動と畏怖を覚える。コミカルな文体と図・キャプションも現代との対応をクリアにしており斬新で読みやすい。「願わくば之を語りて現代人を戦慄せしめよ」恐れ入りました。あっぱれです。」

「読み物としても大変面白いです。もちろん、中国の歴史を裏打ちしているので、史実もきちんと反映されていて、良いです。」

「一般向けの本が初めてだというように「くだけ方」がまだ不自然で、かえって我田引水の感がある物言いの連発に、どうも読んでいて疲れる。本書の意義を力を込めて語る割には説得力の欠ける物言いも多いし、
急に風変わりなことを口走ったかと思えば、そこに注釈番号のみが付せられ、その言わんとしていることが別掲書を読まなければ分からないというのもたびたび体験させられる。そもそも、同じ文章に事実と論理が明記され、その詳細や参考情報が別の資料にあるというのがリファレンス情報として有益かつ必要十分なわけで、これでは何を読まされているのか分からない。」


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