ミッドナイトスワン 内田英治(著) 文藝春秋 (2020/7/8)

「新しい地図」として活躍中の草彅剛。

そして、Netflix「全裸監督」が世界190カ国で同時配信され大反響を読んだ映画監督・内田英治。

二人のタッグによる話題の映画『ミッドナイトスワン』を、内田監督自らが小説化。

トランスジェンダーの“凪沙”(なぎさ)は故郷の広島を離れ東京、新宿を舞台に生きている。

あるきっかけで親戚から預かった一人の少女と暮らす事になってしまった。

母から愛を注がれずに生きてきた少女、一果(いちか)と出会ったことにより孤独の中で生きてきた凪沙の心に今までにない感情が芽生える。

一人の少女との出会いにより凪沙に芽生えた自らの“性”の葛藤と、実感した事の無かった“母性”の自覚を描く、奇跡の物語。

■草彅剛
この脚本が人の愛、エネルギーにすごくあふれていて国境や性別などを超える力があって、皆さんに楽しんでいただけると思います。
台本を読んだ時、とても感動し涙がとまらなかった。その時の気持ちを作品としてみせられたら。

■内田英治監督
人間は愛のためにどこまで自己を犠牲にすることが出来るのか?
多様化が進むなか、普遍的な一つの愛の形としてトランスジェンダーと少女の関係を描いています。普通に存在する者たちの物語で、普通の娯楽映画として大いに楽しんでいただけたらと思います。

「本書は、9月25日公開の『ミッドナイトスワン』の監督自身によるノベライズ作品である。トランスジェンダーの凪沙と、彼女の叔母の孫である一果との出会いから別れまでを描いている。トランスジェンダーとして差別や侮蔑を受けながらも、人生の底辺であがき苦しみ、最後は廃人になって死んでいく凪沙と、親からの育児放棄という名の虐待を受けながらも、バレエを始めた事によって立ち直り、世界的なバレリーナになるという己の夢を叶えつつある一果とのコントラストが、この物語の悲劇性をより一層際立たせている。トランスジェンダーとして日本の社会で生きる事がどれだけ辛い事か、男のトランスジェンダーである以上、完全に「女」にはなり切れない、故に「母親」にもなれないという苦しみ・葛藤がどれほど根深いものか、この重いテーマに敢えて挑んだ監督を評価したい。我々もこの問題から目を逸らさずに、差別や偏見を出来るだけ減らしていく努力をせねばならないと痛感させられた。
9月の映画にも十分期待が持てそうな程の小説のクオリティだった。」

「映画を見る前に読むべきか迷いましたが、映画の予告編を見て読み始めましたが、凪沙の気持ちに感情移入してしまい、一気に読んでしまいましたが、読み終えた後ベッドに横になってしまいました。
人の人生を生きたような、なんとも言えない気持ちで、体は男なので心は女性の凪沙が、母として何も見返りのない無償の愛を人の気持ちを捧げられて、悲しくて辛いけど幸せだったのだと思うと無意識に泣けてきました。
映画を見る前に、読んでおいてよかったです。」

「ミッドナイトスワンの本を読み終えて、ザワザワと気持ちが動き、不思議な不安がこみ上げました。この役を草彅剛がどう演じるのか?予想出来なかったから、、?予告を見たくてTOHOシネマズに行ってみたけど、スクリーンではなく、ロビーで見られた!
凪沙の草彅さんはあまりにも凪沙で、痛々しい姿で、凪沙になっていて、、驚きましたし、いい意味で打ちのめされました。
本のままが映画になるなら、まだまだ覚悟がいるだろう作品力、人間生きていたら何がおこるか分かりません。
自分を裏切らず、生きていたら後悔は無いのだろう?と、考えさせらる作品です、
初日、絶対見に行きます。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事