「映画は子供のころから見ていた。東京は日本橋区の生れで、和菓子屋の九代目の長男で、親や番頭に可愛がられながら育ったから、そういうことになる。」
自らをそう振り返る小林信彦さんが、折にふれて観なおす名画の話。
八十何年かの人生をいろどる幸福な出会い。名著に加筆を施した『決定版 日本の喜劇人』のこと・・・。
「週刊文春」で23年連載された名物コラム『本音を申せば』シリーズが、本書をもって完結します。
第一部「奔流の中での出会い」は、野坂昭如さん、山川方夫さん、渥美清さん、植木等さん、長部日出雄さん、大瀧詠一さん、江戸川乱歩さんなど、ひときわゆかり深い17名の思い出。
第二部「最後に、本音を申せば」は、2021年のクロニクル。
NHKBSプレミアムで放映される映画のラインナップが上質なのに感心し、『日本の喜劇人』に加筆して「決定版」を刊行された年でした。
「数少い読者へ」と題した最終回が「週刊文春」に掲載されると、愛読してこられた読者の方々からのお便りが、編集部に続々と寄せられました。
長年のご愛読に感謝しつつお届けする最終巻。平野甲賀さんのフォントを題字に使用し、本文挿絵は小林泰彦さんです。
小林信彦『日本橋に生まれて 本音を申せば』(文藝春秋)読了。週刊文春で二十数年続いた連載が終了、単行本完結。私はずっと読んできた。今年90歳になるのか。驚異的な記憶力と偏執と偏屈がヨレヨレになるとこうなるか、という文章。味わいも何もないが、それも小林信彦らしい気もする。
— 本田雅也(hondama) (@hondayonda) January 29, 2022
「ついに名物コラム「本音を申せば」シリーズが終了した。本書が最終巻。
筆者は23年間の連載があっという間だったと感慨深く述べているが、読者の多くの気持ちもおそらく同じだろう。
長年にわたって多方面の刺激を受けながら愉しく勉強をさせていただいた。ほんとうに感謝しかない。
御大は昭和・平成の名コラムニストとして後世に語り継がれるべき存在である。」
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