落花狼藉 朝井まかて (著) 双葉社 (2022/8/4) 836円

戦国の気風が残る江戸時代初期。

徳川幕府公認の傾城町・吉原が誕生した。

吉原一の大見世・西田屋の女将の花仍は、自身の店は二の次で町のために奔走する夫・甚右衛門を支えながら、遊女たちの世話を焼き、町に降りかかる奉行所からの難題に対峙していくが……。

花仍の一生を通して、日本一の遊郭を築き上げる姿を描く長編小説。

「実際にはもっと哀しき遊女の歴史もあるのだろうけどあえてそういう部分ではなく大火に遭って更に移転させられてという部分を描いている。」

「この本は、単なる小説ではなく、江戸幕府成立後、しばらく時が経過後、有名な吉原がいかにして成り立ち、構築計画、街のデザイン、諸業務の配置、関連の商売店の配置、掘割、色街の諸規則などが決められていき、後半はストーリーの展開となる。女性作家が興味深く描いており、単なる吉原色町の物語りではない点が素晴らしい。漠然と想像していた吉原が、実は、店の型とか、色々な苦労、規則制定等を経て、成り立ったことが分かりました。貴重な本で装丁も美しい。」

「吉原には人間の清濁を併せ呑むドラマが凝縮されていると思う。 その吉原の黎明期にも、当然のように心震えるドラマがあった。 涙なくして読めなかった中盤、そして最後の言葉に鳥肌が立つほど感動した。 主人公と自分(読者)が重なるかのように感じる筆力にも脱帽。」


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