ロボット学者が語る「いのち」と「こころ」 石黒浩 (著) 緑書房 (2022/11/22) 1,980円

誰もが大切だと感じ、当たり前のように存在を信じている「いのち」と「こころ」。

しかしそれらがいったい何なのか、とらえることはむずかしい。

「いのち」や「こころ」とは何か、さらには生きるとはどういうことなのか、

ロボット研究・アンドロイド研究の世界的第一人者が、この難題に迫る。

【本書のポイント】

  • 人間があらゆるものに抱く生命感や感情の正体を著者独自の視点で考察する。
  • ロボットにとどまらず、文化やインターネット、アバター、人の死など幅広い視点で「生き方」を考える。
  • 技術の進歩によって、人間の能力や生き方がいかに多様で自在になっていくのかを想像できる。
  • 現代と未来の生き方や社会の在り方について、考えるひとつのきっかけになる。
  • 著者がロボット学者になるきっかけとなった、子どもの頃の経験や先生の教えなど、さまざまなエピソードを紹介。

【目次】
第1章 「いのち」や「こころ」に対する興味
小学生の時の経験
なぜロボット研究に興味をもったのか
大切な問いに向かい続ける
大切なことを教えてくれた人たち
「こころ」と「いのち」の意味
これからの研究人生で、何をやりたいのか
「いのち」や「こころ」はどう評価するべきか
生きる目的を考える

第2章 「いのち」とは何か
不思議な「いのち」
動物の「いのち」
ものの「いのち」
ロボットの「いのち」
「いのち」と自律性
ロボットを生き物としてあつかってみる
ストーリーによって生まれる「いのち」
ストーリーとは何か
みんなが信じるから「いのち」がある
宗教と科学の共通点
「いのち」の実感
「いのち」を感じないもの

第3章 ロボットに「いのち」を宿す
動きと生命感
Useless Box
ペットロボットへの愛情
対話ロボット
ロボット演劇
所作をもつロボット
ロボットに名前を与える

第4章 体の意味
体はなぜ必要か
体と脳の関係
変化する体、足りない体
道具による脳と体の拡張
体と環境の境界

第5章 アバターによる人間の進化
筆者のアバターの研究史
アバターで変わる未来社会
仮想化実世界
身体を拡張する
知能を拡張する
メタバースとアバター
アバターの倫理問題
能力拡張問題
多重存在問題
人間関係拡張問題
マーケットの開拓
日本の優位性

第6章 関わりの中で生まれる「いのち」と「こころ」
「いのち」と「こころ」の違い
「いのち」や「こころ」は一人では感じられない
人間以外に対して感じる「いのち」と「こころ」
自然との関わり
人間とロボットの関わり
「精神体」としての人間
人と知的な環境との関わり
ロボットとロボットの関わり

第7章 死とは何か
命の死、「いのち」の死
「いのち」の個性
自分の死
社会の中での死
ロボットの死
死なないことは可能か

第8章 「こころ」とは何か ―所作・精神体・進化―
「こころ」への疑問
科学で理解する「こころ」
ロボットで理解する「こころ」
所作で表現される「こころ」
所作に宿る「こころ」
日本と所作
精神体としての「こころ」
価値観の変化
「こころ」の進化

第9章 人間の生きる目的とは
人間はなぜ生きるのか
人間の進化の手段
人間を進化させる技術
生きる目的
体の進化と「こころ」の進化
未開の地と「こころ」
自我
ロボットを見て自分を知る
機械の体に遺伝子は必要か
進化の意志


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事