戦争はいかに終結したか 千々和泰明 (著) 中央公論新社 (2021/7/19) 1,012円

第二次世界大戦の悲劇を繰り返さない――戦争の抑止を追求してきた戦後日本。

しかし先の戦争での日本の過ちは終戦政策の失敗にもあった。

戦争はいかに収拾できるのだろうか。

第一次世界大戦、第二次世界大戦から戦後の朝鮮戦争とベトナム戦争、さらに近年の湾岸戦争やイラク戦争まで20世紀以降の主要な戦争の終結過程を分析。

「根本的解決と妥協的和平のジレンマ」を切り口に、あるべき出口戦略を考える。

「読み始めて「あっ、論文だぁ」と気付く。でもすごく親切に書かれている。戦争終結研究というものがあることを知った。文献によれば海外の大学も出版物を出している。英語圏の人はこうした本を手にすることができているんだなと思った。」

「本書は、「紛争原因の根本的解決 vs 妥協的和平」という軸の上で、戦争の終わらせ方を考察している。この上で判断基準となるのは、要するに「コスト vs ベネフィット」であると、自分は理解した。現在の犠牲を払ってでも将来の平和を追求するかを決めることは、経済的な意味に限らないコストとベネフィットの間で落とし所を探ることだ。それはそうだよね、という気もするが、過去の戦争終結を同フレームワークで捉え直したことが、本書の功績。」

「立て続けにこの作者の書を3冊読みましたが、大小問わず(ローズ博士の監訳も含めて)始めた紛争の解決にいかにアメリカが苦慮してきているか、現在のバイデン政権のあり様を見るにつけてもよぉくわからせてくれた名著です。安全保障という危機を想定した「頭の体操」を怠け、それらを「想定外」として片づけてきたことが福島原発事故や新型コロナウィルス危機以前の日本の姿ではないかと問いかける作者の思いは熱い?いい本に巡り会えました。」


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