SNSで出会う、つながり続ける
子どもたちは、家の中の「困りごと」をどうにかしようとして、大好きな家族を守ろうと必死に、自分にできることを探します。
そしてその探し当てた役割、姿が、私たちの目には「ヤングケアラー」として映るのです。
子どもたちは自ら、無自覚に、ヤングケアラーになっているということです。
彼らの声は、なかなか聞こえてきません。
なぜなら、彼らの家は閉ざされ、閉ざされることで秩序とバランスが保たれていることが多いからです。
家内の「困りごと」を親が隠す時、子どもたちも隠すルールに従って生きています。
それでも「つらい」「苦しい」と、SNSを利用して気持ちを吐き出すことがあり、相談を受ける著者には、徐々にその姿が見えてきました。
彼ら、彼女らがいる境遇は様々で、困っていることやつらいこともそれぞれです。
だから、本当は「ヤングケアラー」とひとくくりにはできません。
彼ら彼女らは「様々な課題を抱えた、支援を求めにくい子どもたち」なのです。
ヤングケアラーの存在を知って、あるいは身近に気になる子どもがいて、「どうしたらいいのでしょう」と声をかけてくる人も増えました。
本書は、まさにそういう人に向けての提言です。
多種多様な事例を通じて「ヤングケアラー」の深層に迫り、支援のあり方を伝えます。
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