セイ、あなたと私は驚くほど似ている――。
遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する長編エッセイ。
仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、長期休暇制度を使って日本へ旅立つ。目的は「清少納言を研究する」ため――。
うだるような京都の夏の暑さ、ゴキブリだらけの「ガイジンハウス」、
同居人たちとのドタバタ劇、博物館や図書館での資料探し、
東日本大震災による精神的混乱、深夜のバーでの友との語らい、
この世のものとは思えないほど美しい桜、女性が生きていくことの困難さ……。
新しい人生へと旅立つ期待と不安を、鮮烈に描いたデビュー作!
ミア・カンキマキ『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』を求めました。
高校時代に鮮やかな印象を与えられた清少納言と紫式部(古文の成績はわるかったですが)、彼女たちに関する本が読みたくて。
明日、源氏物語に関する本が届きます?? pic.twitter.com/OSmHpQPESQ— misty (@misty882311) December 4, 2021
「電車の中で感動して震えながら読みました。ヴァージニア・ウルフと清少納言の意外な繋がりか見えてきたところも、なぜ紫式部の源氏物語のほうが、清少納言の枕草子よりも世界的に知られているのかという謎解き要素もスリリングで面白かったです。福島の原発事故の時期に日本滞在していた著者の不安もリアルに描かれていました。あとがきにあった続編の刊行も期待しています!」
「翻訳されてるとはいえ、筆者の文章がうまくて読ませる。また彼女のキャラが自分について正直、かつユーモアと知性があり好ましい。彼女と共に私にとっても未知の清少納言について学んだ。」
「他に類を見ない変わった本だ。著者の紀行本、私小説と言おうか、その中で一千年前の枕草子の著者清少納言に思い巡らす。清少納言については、何も記録が残っていないのだから、どう思いを巡らせてもいい訳だが、読み進むうちに著者はきわめて詳細に調べ上げた情報をもとに述べていることがわかる。500ページの大作だが、平易に翻訳されているので読みやすく、読み進むにしたがい清少納言のイメージが膨らみ面白い。」
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