近年アナログレコードへの関心が高まっています。
個人はもとより図書館や博物館からも「古いレコードを所蔵しているものの、年代も記号の意味も分からない」という声が聞かれます。
本書はそんな現場の声から生まれました。
趣味性が高いがゆえに学術史料として扱われにくかったSPレコードをいかにして史料として読み解くか。
本書は、昔のレコードを現代に活かす「レコード・アーカイブ学」を提唱し、SPレコードの扱い方、歴史、データベースの現況等を解説した、SPレコード・ガイドブックです。
毛利眞人『SPレコード入門』読了。SPレコードに特化した内容であるが、ときおり映画史とリンクするのはどちらも近代記録メディアとして無縁ではいられなかったことの証左であろう。クルト・リースが拙著でも扱われているのはその一例。
そして丁寧な謝辞を含むあとがきを読んだあとの清々しさたるや!— 片岡一郎 (@katsudobenshi) May 31, 2022
毛利眞人著『SPレコード入門』(スタイルノート) SPレコードに焦点を当てた名著が発売された。「面白いことに昔から中学生くらいでSPレコードの世界に入ってくる人が多い」には私もそうだったなーと。読み応えのある良書だと思います。 pic.twitter.com/2Vc4KaHVx6
— Elija (@Sitateyaraizou) June 2, 2022
出版社からのコメント
アナログレコードは長らく静かなブームとして続いています。
近年はweb上の情報やネットオークションの普及によって、SPレコードの蒐集や鑑賞を趣味とするSPレコード人口が増えているそうです。
また世界的な潮流として、歴史的録音のデータベース化によって大学研究でレコード産業史や童謡史などSPレコードを一次史料として扱うケースが増えてきました。
しかしながらSPレコードは趣味性が高く、全貌が可視化されていないがゆえに、映画分野のように史料批判のベースとなる場が設けられていないのが現状です。
そこで「SPレコードの扱い方・情報の読み方」を主軸とし、初心者にも分かりやすいSPレコードの入門書としての面を持ちつつも、個人はもとより、博物館などレコード所蔵館の現場で実用的に使えるマニュアルともなるように本書は制作されました。
SPレコード入門拝読中
基礎知識からメンテナンス等の専門的な事までスゴく分かりやすくて読みやすい! pic.twitter.com/cfI2si7z9c— 満船堂 (@mansendo) May 31, 2022
著者について
1972 年生まれ。音楽評論家・レコード史家。2019年10月、ボン大学に於いてSPレコードの分類活用に関するワークショップと講演を行なう。2022年4月現在、ボン大学・片岡プロジェクト及び早稲田大学演劇博物館の招聘研究員。ビクター・エンタテインメントやインディーズレーベル「ぐらもくらぶ」でSP 盤復刻CD の音源提供・監修を手がけるほか、テレビ番組のリサーチャー、蓄音機を用いたコンサート・講座を行なっている。
「不明な点が多い100年も昔のSPレコードについてとても詳しく、そしてわかりやすく書かれているマニアにとっては必携の一冊になると思います。」
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