夏物語 川上未映子 (著) 文藝春秋 (2021/8/3)

大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。

38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。

子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。

そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。

生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。

「精子提供による出産を題材にした物語。
飛び交う大阪弁の臨場感、登場する女性たちの生々しさ、抽象的だけど腑に落ちる比喩表現、どれもが川上未映子さんならでの魅力を孕んでおり、ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。
この小説の中で度々議論される家族観や倫理観は、これまで培ってきた知識や経験から自分の中で確立しているものだと思っていました。けれども、登場人物たちのさまざまな思想に触れながら読み進めていくと、自分の既成概念は簡単に揺らいでしまいます。
物語には終わりがあるため、主人公は最後にひとつの答えを導き出しましたが、私はこれからもゆっくりとこのテーマついて考えていきたいです。
人の心に残り続ける名作だと思います。」

「ロンドン出張の移動中に読みました。夏子というひとりの女性の中に潜り込んだように没頭しました。追憶の描写が美しくまるで自分なら体験したように、胸がぎゅうっとなりました。是非読んでほしい。夏子を体験したあと、いろんなことがふっきれて、誰と一緒にいようと自立して生きていけるとひとまわり強くなった気がします。」

「生きるのはしんどいことの連続だし、何が正解かわからないし、いつ死のうかいつ死のうか彷徨うこともあるけれど、この一冊を読めて、生きていてよかった……!と思っています。今後も楽しみにしています!」


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