人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。
8作からなる短篇小説集、待望の文庫化!
ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。
同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。
鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。
スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感――。
そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 驚きと謎を秘めた8篇。
「一人称単数」の世界にようこそ。
「一人称単数」村上春樹
さっき読んだ「鏡」と繋げてしまう…
バーで会った喧嘩腰の女性が私自身の中にある私自身でないものを引きずり出そうとしている。もしかしたら彼女が腹を立てているのは鏡の中の私なのかもしれない。/一人称単数
— 切羽@読書 (@kiriha_yomu) February 4, 2023
「村上春樹の自伝的な野球の話とか猿の話が面白かったです。一人称単数はいつも通りの村上春樹って感じがして良きかなーって感じだったです。With the Beatlesもとても良い教訓になる話だなーと思いました。以上!」
「村上春樹作品はいつもそうだが、なぜ面白いのか?がうまく説明できない。けれども面白い。一つ確実に言えるのは文章の妙味があること。表現それ自体と他の作家と一線を画する文体。読めば村上春樹と確実にわかる文体。そこに魅力があることは間違いない。しかし、それでだけではなく不思議な(必ずしも起承転結ではない。伏線も回収されるとも限らない。けれども不思議と惹きつけられる)ストーリーも魅力の一つ。この短編集もまた村上ワールドを堪能させてくれた。」
「「僕」=村上春樹で読んで差し支えないので、短編集というより妄想エッセーと呼んだ方が早い。
取り留めもない、特に伝えたい事も無いような文章が、回りくどく冗長な文体で綴られている作品だと感じた。」
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