脳寿命を延ばす 新井平伊 (著) 文藝春秋 (2020/12/17)

脳の健康のために何かやっていますか?

肝臓の数値を気にしたり、血圧を毎日測る人がいても、脳の健康状態を意識している人は少ないはずです。

脳は身体の中でも最も大切な臓器であるのに。

近年、身体の寿命ははどんどんのびているのに、脳の寿命はのびていません。

このアンバランスをどうにかしたい、ということで本書は書かれました。

著者の新井氏は順天堂大学名誉教授で、同大医学部でアルツハイマーに治療に専心してきた、脳の専門医です。

脳の働きについてはまだ20%ほどしかわかっていないと言います。それほど謎の臓器なのです。

本書では、まず、その脳の謎から説き起こし、なぜ、脳が老化するかについて解説します。

その後に、本題である「脳の健康寿命」をいかにしてのばすかを詳述していきます。

そのためにどうすれば良いのかを、「18の心得」としてまとめました。

「お酒はタバコよりも脳に害をなす」とか、「認知症に聞く食べ物はない」とか、けっこうショッキングな項目もありますが、ほとんどは普通の事柄です。

要は、それを実行できるかどうです。

その実践編では、運動はどのようにやれば効果的であったり、睡眠と脳の関係に関しても触れます。

ゲーム(トランプ、麻雀、将棋、囲碁)なども脳には良いのですが、「脳トレ」はあまり効果がないそうです。

最後に、「脳に良い食事」、「サプリメントは効くのか?」について話して、終わります。

人生が100年までの射程に入ってきたいま、これは必読の書です。

「①どれもが自分に当てはまり、脳の老化を防ぐ最適な指南書だと改めて実感した。
②結論から言えば、心身共に健康的な生活を送ることである。
③脳の老化のリスクを高めるのは、生活習慣病(特に糖尿病)であることは間違いない。血流が悪くなれば、脳の機能は低下する。
④物忘れがひどくなり、サプリメントを利用するのは、あまり効果を期待出来ない。
著者は対人ゲーム(囲碁・将棋等)を推賞し、脳トレは効果がないと言う。
⑤意外だったのは「ながら作業」か良いということだ。例えば、本を読みながらテレビを視たり、ラジオを聴くのは良いことだ。
⑥そして何より自分に当てはまるのは、「意欲」の低下である。何をするにも億劫で、面倒に感じるのは危険信号である。
コロナ禍での巣籠もり生活(何もしない生活)は最悪である。
⑦体を適度に動かすことが推奨される。有酸素運動、散歩やマンションの階段の昇り降りは有効だ。階段を使うだけでも効果がある。
⑧孤立せず、健全な社会生活を営むことご大切だ。
こうして脳の機能低下を少しでも遅らせるのだ。
お勧めの一冊だ。」


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