1902年、米・モンタナ州ヘルクリークで、ティラノサウルス・レックスが発見された――
伝説の恐竜ハンター、バーナム・ブラウン!
愛称はミスター・ボーンズ!
新種を次々と発見する天才的嗅覚。アメリカのみならず、パタゴニア、インド、アフリカ……世界をまたにかけ、悪地であればあるほど冴えわたるフィールドの申し子。
あらゆる場所から標本の木箱が雪崩のように届き、アメリカ自然史博物館の化石標本コレクションの礎が築かれた。
現在もバーナム発見の組み立て標本が50点以上展示されている。
ティラノサウルスの発見で一躍有名になったバーナムは、トレードマークのビーバーの毛皮をまとって発掘現場に現れる。
恐竜のみならず、史上最大のワニ、人類の起源に関する探索等々、綺羅星のごとくの新発見の数々。
フィールドからの初のラジオ放送や、ディズニー映画『ファンタジア』の恐竜のシーンへの協力など、彼は全米を魅了するスターだった――
恐竜発掘が“探検”だった時代を追体験できるロマン溢れる初の本格的評伝。化石発掘等写真を40枚超収録。
「バーナムの発見は、21世紀の恐竜学者をも魅了し続ける」――解説・真鍋真(国立科学博物館)。
【目次より】
プロローグ――バーナム・ブラウンの考え方
第1章 辺境に育つ 1873-1889
第2章 優等生……とは言えないけれど 1889-1896
第3章 比類なき見習い実習生 1896-1898
第4章 地の果て――パタゴニアへ 1898-1900
第5章 ヘルクリークの奥へ 1900-1903
第6章 愛する者 1903-1906
第7章 喪失 1906-1910
第8章 カナダの恐竜ボーンラッシュ 1910-1916
第9章 キューバ、アビシニア、そして秘密の活動 1916-1921
第10章 東洋の宝物――英領インド 1921-1923
第11章 イラワジ川のお宝と命の危機――ビルマ 1923
第12章 密謀の島、サモス 1923-1925
第13章 古代のアメリカの人々はバイソン狩りをしていたか? 鳥は恐竜か? 1925-1931
第14章 恐竜の発掘、そして空から――ハウ発掘地と上空からの西部地質調査 1931-1935
第15章 退職に向かって――謎の足跡を残した恐竜とグレンローズの恐竜回廊 1935-1942
第16章 スパイ活動、映画の監修、万博での興行 1942-1963
解説「バーナム・ブラウンとティラノサウルス」真鍋真(国立科学博物館)
【付録】
1 アメリカ自然史博物館の化石ホールに展示されているバーナム・ブラウン採集標本
2 バーナム・ブラウン回想録「ティラノサウルス・レックスのタイプ標本(AMNH973)の発見・発掘・プレパレーション作業 発見1902年、発掘完了1905年」
3 バーナム・ブラウンとアメリカ自然史博物館による化石採集の概要
見本が届きました
『ティラノサウルスを発見した男 バーナム・ブラウン』
国書刊行会書体は、筑紫ゴシックです! pic.twitter.com/u9KucuvtoA
— コバヤシタケシ (@neji_tk) April 18, 2024
著者について
Lowell W. Dingus
1983年カリフォルニア大学バークレー校にて古生物学の博士号取得。アメリカ自然史博物館、ロサンゼルス郡立自然博物館の元研究員。数々の重要な古生物の展覧会を監修し、古生物関連の著書も多数。邦訳に『恐竜ハンター』(M・ノレル共著、SBクリエイティブ)、『恐竜の博物館』(E・S・ギャフニー、M・ノレル共著、青土社)。
Mark A. Norell
アメリカ自然史博物館古生物学部門名誉学芸員。ロイ・チャップマン・アンドリュースの後継者として1990年以来モンゴル・ゴビ砂漠での調査を開始し多数の新種記載のみならず、獣脚類の最初の胚の発見をはじめとし、恐竜が巣で抱卵することを初めて示唆したことで知られる。また恐竜で柔らかい殻をもつ卵の発見など古生物学史に残る数々の研究を指揮した。なお、彼がアメリカ自然史博物館で愛用している机はバーナム・ブラウンが使っていたもの。邦訳に『アメリカ自然史博物館 恐竜大図鑑』(化学同人)、『恐竜ハンター』(L・ディンガス共著、SBクリエイティブ)、『恐竜の博物館』(E・S・ギャフニー、L・ディンガス共著、青土社)。
松本隆光
1960年愛知県生まれ。京都大学文学部言語学科を卒業後、愛知県の県立高校教諭として英語を教える一方、被爆体験手記集『原爆忘れまじ』の英訳に携わる。退職後の現在は、日本語学校の講師を務める。
坂田智佐子
国立科学博物館技術補佐員。
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