夜明けまえ、山の影で シルヴィア・ヴァスケス=ラヴァド (著), 多賀谷正子 (翻訳) 双葉社 (2022/11/17) 2,420円

エベレストに挑んだシスターフッドの物語

2016年、エベレスト。最も暗い夜明けまえ。性暴力の記憶の影を振り払い人生を取り戻すため、女たちはこの山を歩いた。

過去から、未来から、女たちの声が響き合う。連帯と共助の登山記。

「シルヴィアは戦士だ。その力強く温かい声は、彼女がいかに人生における最悪の瞬間から立ち上がり、誰かの標になろうとしてきたかを物語る。この本は弱さ、共感、無私の心がもつ力の証明だ。ここに描かれた、彼女が手にした強さと勇気に敬意を覚える」
セレーナ・ゴメス(俳優、本書原作映画主演)

幼少期の性的虐待や父による支配が少女に落とした影。

それはやがて、さらなる苦悩と喪失を連れてきた。

人生を取り戻すために登山家となった彼女が挑んだのは、同じ性暴力サバイバーの女性たちとエベレストを歩く旅。

互いの心の傷を差し出しあい、守りあうことで得た力を手に、彼女はそのままひとり、この母なる山の頂上へと向かう。

凍てつく吹雪、世界の果てまではびこる男性至上主義、そして幾たびも訪れる死線。その先に見た光景とは。

オープンリー・レズビアン初の七大陸最高峰登頂者が実体験と半生を綴った、心震わせる極限のシスターフッドの記。

Silvia Vasquez-Lavado “In the Shadow of the Mountain”の完訳。

「山」と「女」という、古くから男性の世界が「征服」の対象とみなしてきたふたつの存在。

その魂と交信しながら自分の姿を探した一人の女性の独白が、読むものを力ではなく、共助の意思でエンパワーする回想録です。


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