ヨルガオ殺人事件 上下 アンソニー・ホロヴィッツ(著)、山田蘭(翻訳) 東京創元社 (2021/9/13) 1,100円(上下とも)

『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。

彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた──そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。

その本とは名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』。

それは、かつてわたしが編集したミステリだった……。

巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品×英国のホテルで起きた殺人事件! 『カササギ殺人事件』の続編にして、至高の犯人当てミステリ!

アガサ・クリスティへの完璧なオマージュ

イギリスのホテルで起きた殺人

謎解きが二度も味わえる、至高の犯人当てミステリ!

“すぐ目の前にあって──わたしをまっすぐ見つめかえしていたの”名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』を読んだ女性は、ある殺人事件の真相についてそう言い残し、姿を消した。

『愚行の代償』の舞台は1953年のイギリスの村、事件は一世を風靡した女優の殺人。

誰もが怪しい事件に挑むアティカス・ピュントが明かす、驚きの真実とは……。

ピースが次々と組み合わさり、意外な真相が浮かびあがる──そんなミステリの醍醐味を二回も味わえる、ミステリ界のトップランナーによる傑作!

「2020/9月に読んだ「その裁きは死」以来のホロヴィッツ。そして、今回は〈カササギ殺人事件〉シリーズと銘打たれた最新作、「ヨルガオ殺人事件 (上・下) “Moonflower Murders”」(アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫)を一気読みしました。「カササギ」以降、「メインテーマ」、「その裁き」と傑作パズラーを上梓し続けているホロヴィッツの新作もまた、読者の期待を決して裏切らない傑作パズラーと言っていいでしょう。」

「黄金期本格ミステリの香りを甦らせた秀作。手札を晒した後で作中作に移行し、謎解きの興趣を二層で引っ張る構成は「カササギ殺人事件」よりも良く出来ていると思いました。伏線の張り方、レッドへリングの泳がせ方も手練れの上手さ。特に作中作における犯人の隠し方は秀逸。散らばったピースを在るべき場所に嵌め込んでゆく終盤の展開も胸のすく鮮やかさです。」

「カササギ殺人事件の読みにくい(翻訳上の原文を生かすテクニックらしい)、しかし、惹きつける力の強い作品が、高度に洗練された、またしてもピュントものを入れ子作品にして、鋭い推理ものになっている。アンソニー作品には、推理の信義を重んじるような評価が多いが、この作品はまるでバッハの音楽のように、美しく緻密で、整った構築物である。」

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