混雑した駅中、彼女は驚いた様子でまっすぐ僕の方へ歩いてきた。
それが僕たちの出逢いであり、恋人同士になるきっかけだった。
でも、心も身体もすっかり馴染みきったある日、唐突に知ってしまう。彼女が僕に近づいた理由を――。
(表題作「優しい音楽」)ちょっと不思議な交流が生みだす、温かな心の触れ合いを描いた作品集。
優しい音楽 * 瀬尾まいこ
人と人が繋がる設定の中でも
そんな出会い方ある?って
驚いてばかりの三つのおはなし。
どんなに嫌な出会い方しても
なぜかぬくもりがあって
ほっこり出来るから
なんで??って不思議になるけど…
あたたかい気持ちになれました。#読書記録 #読了 pic.twitter.com/sEF9LveOeR— おきちゃん (@okichan_waaa) February 22, 2021
「元ビーチバレー選手浅尾美和さんが日経新聞の夕刊で紹介していた本。タイトル作のほか、2編あります。タイトル作は、若い男女の不思議な出会い(いわゆる逆ナン)からはじまり、なんとなくちぐはぐながら関係を育てていきます。最後の方で逆ナンの理由がわかるのですが、そこから主人公の行動にほんわか暖かいものを感じます。他の二編も同様で、なんとなく不自然で不思議だけど温かい雰囲気が漂います。ぬるい話といえばぬるい話で、別にどうという小説ではないのですが、読後がいい気持ちになれます。他の作品も読んでみようかな。」
「優しい音楽は、亡くなった兄ににた人を見かけて付き合い始めた男女のちょっと変わった交際日記的なタイムラグは、不倫相手の子供を預かることになり、2人の結婚を反対している父親にお母さんの代わりに行って認め貰えるように説得する深雪がいる。がらくた効果。普通では考えられない行動、はな子が店の前の公園で元大学教授の佐々木を自分達のアパートに突然連れてくる佐々木を通じてはな子と章太郎が少しずつ変わっていく様子が面白い、佐々木の存在がいいと思った。」
「他人と自分をキーワードに繰り広げられる優しい短編集。他人というのはすごく曖昧な言葉だ。それは、他人とカテゴライズする基準範囲がとても不確かだからというように感じる。そして他人が、他人じゃなくなった時に愛が生まれるのでは無いだろうか?これは、愛とは何か?を問いかける一冊であるように感じた。」
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