ノムさんをしのぶ会に教え子の大行列

ノムさんしのぶ会に教え子大行列「俺には人望がない」真逆の光景に

2020年2月11日に84歳で逝去した名将・野村克也氏をしのぶ会が12月11日、神宮球場で行われました。

現役時代の同僚や監督時代の教え子など約600人が出席。

6球団が発起人を務め、神宮球場には特大の垂れ幕が飾られました。

午後には一般客も参列。

楽天生命パーク宮城やペイペイドームでも献花台が用意されました。

新型コロナウイルスの影響で先送りとなっていましたが、レジェンドを見送るにふさわしい盛大な一日となりました。

ノムさんの周囲は常に人であふれていた

08、09年の楽天担当時代、さみしがり屋でもあるノムさんが「俺には人望がない」とぼやいていたそう。

「死んだらさみしい葬式になるやろうな。来てくれるか?上からのぞいてるからな」

こう言って担当記者の顔を見渡すのがお約束だったのです。

実際にはノムさんの周囲は常に、人であふれていました。

試合前の練習中、ベンチで報道陣と談笑していると次々と関係者が訪れていたのです。

ソフトバンク・王監督(現球団会長)もそのひとり。

中日・落合監督は「ふたりで野球の話をしたい」とチーム関係者を通じて申し入れていました。

ノムさんは「あの落合が…。ちょっと行ってくるわ」と笑いながら打撃ケージ裏で野球観をぶつけ合ったのです。

教え子があいさつに来れば、心底うれしそうに笑っていました。

古田氏が弔辞

この日、愛弟子の古田敦也氏は弔辞の中で印象に残った言葉に触れ、

「『人の人生は短い。一生は短いから価値あるものにしないといけない。その価値は人を残すことだ』と。その教え子である高津監督が率いるスワローズと矢野監督が率いるタイガースの優勝争いは最後まで盛り上がりました」

と報告していました。

来期は5球団で教え子が監督を

来季は日本ハム・新庄剛志監督も加わり、5球団で教え子が監督を務めます。

高津監督は

「野村監督が作り上げた野村野球、すなわち考える野球。頭でやる野球の遺伝子は今も、そして、未来も生き続けています」

と伝え、継承を約束していました。

「俺には人望がない」-。

この言葉とは真逆の光景。

天からのぞいていたであろうノムさんは、満面の笑みを浮かべていたに違いありません。

ネットの声

「ノムさんの人望の凄さを目の当たりにしました。それに今のプロ野球界の指導者に、野村チルドレンっていっぱいいるんじゃないかな。野村イズムは受け継がれていますよ。今年は日本一にもなりました。」

「なんかノムさんいないと面白くないんだよなぁ、そこがノムさんの良いところでもある。ミスターや王さんが敵と戦うヒーローなら、ノムさんは人情派の刑事みたいな。最近は世間や成績を気にする選手が増えてきた。勿論成績を出してナンボだけど、ノムさんみたいに影で努力しては活躍して、活躍したぶん自分をアピールする場や時間を作れる選手が出てきて欲しいし、新庄BOSSが監督になったのもノムさんからの見えない縁力が働いたのかも。ノムさん、今年はあなたの教え子がとても目立ちましたよ。そして来年もプロ野球を盛り上げてくれると思うから、温かく見守ってください。」

「よく「昭和の老害」と言われる世代の人と思われるかもしれないが、張本と違ってノムさんの場合は多くの人に愛される。それは「昭和の古い脳」でただ人を叱ったり怒鳴ったり決めつけるのではなく、本当に心から野球や人が好きで、理論的に指導しているから。だから中継でボヤキ節を聞きながら試合を観るのも面白いし勉強にもなる。そして、相手の性格に応じてきちんと対応を変える柔軟さも兼ね備えているから、新庄のような選手もリスペクトして野村イズムを吸収しようと勉強する。本当に亡くなったのが残念で仕方ない。サッチーが突然亡くなってしまい、日に日に年老いていくのがわかるほど憔悴していた。新庄監督の采配を生で解説してほしかったなぁと思います。」

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