
ほぼアクセルのオンオフだけで走れる「ワンペダルドライブ」に賛否両論!
それでも高齢者が「乗るべき」理由とは
ハイブリッド車(HV)を含め、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)など、モーター駆動を用いるクルマでのアクセルペダルだけで加減速ができ、停車まで行えるいわゆるワンペダル操作には賛否両論があります。
しかし、残念なのは否定的な意見を述べる多くの場合が、アクセルペダルの操作が急すぎる傾向にあること。
エンジン車のマニュアルシフトでの運転操作を振り返ると、発進・加速して変速する際、アクセルペダルから素早く右足を離し、クラッチペダルを左足で踏んで変速操作を行います。
このやり方が自動変速となっても抜けず、同じようにアクセルペダルから素早く右足を離して加減速している運転者が多いようです。
最近ワンペダルドライブを楽しんでいたが、とにかく脚が疲れる。ペダルoffにして慣性で走れないので、ずっとそっとペダル操作をしてるからだろうな。高速道路ではオートドライブはマストだわ。
— NAKAGAWA Norikazu (@noriteus) February 26, 2022
目次
日ごろからアクセルワークを意識していれば違和感がないのだが……
たとえエンジン車であろうと、速度調整はアクセルペダルを細やかに操作し、ブレーキペダルを使う場合は速度を急激に落としたい場合や停車する際などのかなりの減速を必要とする場合にと、使い分けているはず。
ところが公道では頻繁にブレーキランプが点灯するクルマが少なくありません。
理由はアクセル操作がオン・オフのスイッチ的であり、加速はアクセル、減速はブレーキという切り替え操作となっている可能性を示しているのです。
同じ運転操作を電動車両で行えば、アクセルペダルから右足をいきなり離してしまえば回生が強く効き、強いエンジンブレーキがかかったような動きになってしまいます。
一方、細かなペダル操作で速度調整ができている人は、エンジン車であろうと電動車両であろうと滑らかな加減速ができ、このことは同乗者にもクルマ酔いなどを起こさせにくい運転になります。
モーター駆動のある電動車両であればこの回生を有効活用し、回生による発電によってバッテリーに電力を蓄える量が増えれば、燃費向上につながります。
エンジン車でも、速度の上下が大きくなるスイッチ操作的な運転ではなく、アクセルペダルの細やかな操作で速度調整できていれば、燃費は改善するはずです。
ペダルから足を離すだけで減速できる利点はやはり大きい
さらに、回生を使う減速は、急にペダルを戻せば強い減速が直ちに機能するので、万一の際の衝突安全にも役立ちます。
アクセルペダルからブレーキペダルへの踏み替えは0.7秒かかるとされるのですが、ペダル踏み損ないがあれば1秒近くかかる可能性があります。
その間もクルマは前進し続けてしまいます。
ところが、アクセルペダルを戻しただけで強い減速が働けば、その分、停止距離を短くできるでしょう。
つまり衝突の危険性を下げることができるのです。
したがって、モーター駆動のあるクルマであれば、回生を活かしたワンペダル操作を積極活用すべきです。
日産によればワンペダル操作を行うことでペダルの踏み替えを7割減らせるそう。
上手にできるようになれば、もっと減らせる人がいるかもしれません。
また、ペダル踏み替えのために足を持ち上げようと構える姿勢や、心構えの機会がワンペダル操作によって減る分、疲れにくくなり安心も高まります。
今日は1日e-POWERで千葉県内回りを、、、
ワンペダルドライブは渋滞の時に楽ですねー pic.twitter.com/KZgjQzOIoG— kazuo u (@utaro89535298) February 18, 2022
旧型のプリウスでも回生が効く「B」レンジ使えば安全&安心
10年以上前ではワンペダルという言葉さえありませんでした。
高齢になり、万一の判断の遅れや操作の遅れが気掛かりで、とくに市街地での運転では「D」ではなく「B」レンジを選んで運転しているといった人も少なくないでしょう。
それによって、停止まではできないまでも、通常の走行ではワンペダル的な運転ができます。
Bレンジでは回生が強まるからです。
しかも、頻繁に回生を利用することでニッケル水素バッテリーへの充電量が増え、オンボードコンピュータ上の燃費も向上します。
同乗者にも快適で、高齢者の運転にも安心をもたらし、なおかつ燃費を改善できる回生を活かしたワンペダル操作は、もっと認知されるべきであり積極利用する利点は多いのです。
身に沁みついた運転をよしとするのではなく、よりよい運転を目指し、ワンペダル操作を身に着けることは運転の喜びさえもたらす快適運転術です。
年式が新しいからかな、ワンペダルドライブの止まり方も発進も上品になってる気がする
— V37 Z23350 (@z_nur23350) February 13, 2022
ネットの声
「そもそも足でそんな繊細な操作をさせるとか、アクセルは足で操作するものという悪き思い込みなのではないでしょうか?
あまり話題になってませんがマツダのMX-30 EVは、回生量の加減をハンドルについたパドルで行います。コレはシフトダウン操作にも似てより自然な操作感で、評価されるべき操作感です。」「平常運転で踏み替えの頻度が減ることにあまり意味はありません。
問題はパニック時なんです。
パニック時にはワンペダル車であってもブレーキペダルへの踏み替えが必要ですが、その時間違えてアクセルを踏んでしまえば同じなんです。
もしかしたら、ワンペダルに慣れた結果、踏み替えがうまくいかず踏み間違いが増える可能性すらあります。だから、筆者さんのように意識を持って運転できる人はいいですが、そうではない多くの高齢ドライバーに、安易に今と違う操作を勧めることはしない方が良いと思います。」
「メーカーが燃費ばかり競って、AT車のアクセルオフ時にまともにエンブレ効かせず、転がす方向に設定して来たことを、EVでは電力回生で少しでも燃費上げたいから、ワンペダルと称して元に戻しつつあるだけのこと。利便性とか、安全性では決して無いと思う。」