『コブラ』アニメ・コミックを通して最高と思う…セリフがまたかっこいい!

寺沢武一さんが遺した珠玉の言葉たち…宇宙海賊『コブラ』のダンディズムにあふれた名言

2023年9月8日にSF漫画『コブラ』(集英社)で知られる漫画家・寺沢武一さんが亡くなりました。

寺沢さんといえば綿密に描き込まれた作画、独特な世界観とデザイン性、そしてグラマラスな美女を描く作家ですが、訃報の後、SNSでは寺沢さんの遺した『コブラ』ならではの名セリフの数々を懐かしむ人も多かったのです。

そこで、あまたある「左手にサイコ・ガンを持つ不死身の男コブラ」の、ダンディズムにあふれた名セリフをいくつか振り返ってみました。

「死ぬのはたったの一度だぜ」

まずは「黒竜王」編より。

客船で宇宙へと出かけた主人公・コブラは、停泊中に捕鯨船「ジゴル」に船ごと飲み込まれてしまいます。

巨大なジゴルの体内は脱出不可能とされ、コブラと同じように飲み込まれた人々が街を作り暮らしていました。

コブラは脱出路を知るという黒竜王に会うため宮殿に潜り込むのですが、

そこでは背中に「竜のイレズミ」を彫られた竜の一族たちが黒竜王に恐怖で支配されていたのです。

コブラを捕らえた司教ヨーコ・オブライエンもその一人で、

生贄を欲する黒竜王の咆哮に怯え、蹲ってしまうほど。

そんな彼女にコブラが投げかけたのが次のセリフ。

「どうした なにを恐れている」

「死ぬのはたったの一度だぜ」

黒竜王に逆らえば竜のイレズミに、もしくは生贄として喰われる死の“恐怖”を司教であるヨーコは誰よりも知っていました。

だからこそ、死など大したことではないと言い切るコブラにあぜんとし、

この男こそが自分の呪われた運命を変え、

この世でただひとり黒竜王を倒せる人物かもしれないと希望を抱くのです。

余談ですが、サンエイ発行のムック誌『COBRA大解剖 新装版』では表紙の煽り文句としてこのセリフが大きく書かれているのですが、

語呂のせいか「死ぬのは一度だぜ」と微妙に違っています。

個人的な意見だが、原文のほうがお喋りなコブラらしさがあるように思うのです。

「最初に罪を考え出したつまらん男さ」

続いては「聖なる騎士伝説」編より。

王国存亡の危機に空から「伝説の騎士」が現れるという予言をなぞるかのように、旅客機から墜落したコブラはエスカープ王国の王女エスメラルダに救われます。

彼女の祖国は暗黒界から来たという3人の鬼により滅ぼされようとしていたのです。

エスメラルダの願いを受けコブラは激闘のすえ鬼たちを倒すのですが、彼らの正体に大きな疑惑が生まれてしまいます。

救国の英雄となったコブラは「聖なる騎士」として讃えられるも、王国教会の司教ムラゴから侮蔑の言葉を浴びせられてしまうのです。

しかしコブラは教会が国の一大事に何もしなかったと非難。

そのうえ神をも揶揄したことにムラゴは激怒「神を侮辱するつもりかっ」。

しかし、神の権威を振りかざすムラゴにコブラはこう返すのです。

「神か……」

「最初に罪を考え出したつまらん男さ」

宇宙海賊として自由に生き、愛すべき女性のため命さえ賭けてしまうコブラ。

そんな彼が神を語る人間の「罪」という枠組みに囚われることなどなく、たとえ全知全能の神でさえ「つまらん男」と一蹴するコブラにファンは魅了されてしまうのです。

「思い出さ」

最後は「六人の勇士編」より。暗黒神となった宿敵クリスタル・ボーイを倒すため、コブラは「六人の勇士」を集めなければならないと光明神から告げられます。

海賊ギルドを掌握していたクリスタル・ボーイは全惑星に対して全面戦争を仕掛けようとしていました。

妨害に遭いながらもコブラの仲間探しは続けられ、最後のひとりが意外な人物であると判明。

こうして、仲間たちと力を合わせてギルドと戦うコブラは、自身に“恐怖”を植えつけた強敵を倒すことに成功するのです。

戦いを終え、過去と未来の出会いを語るコブラにレディは「過去が吹っ切れた事であなたに怖い物がなくなった」と安堵するのですが、コブラの応えが以下の名セリフ。

「いいやあ ひとつある………」

「思い出さ」

一瞬の間を置いてレディの「思い出はこれから作るものよ」に続くのですが、

直前に判明した過去における2人の姿やその後の絆を思い返すと感慨深いものがあります。

「知らんのか」「日が昇る」

取り上げた3つのセリフ以外にもコブラにはクールで洒落た名セリフが多くあります。

なかでもX(旧ツイッター)を中心に見かけるのが、保安官ジェフとの会話を置き換えた「知らんのか」パロディ。

元ネタは短編『リターンコブラ』で、盛大なドンパチがひと段落した後、

「あと2時間で夜が明ける」と語るコブラにジェフが「(それで)どうなるのか」と尋ねるシーン。

それにコブラは「知らんのか」「日が昇る」と返すのですが、

ごく当たり前なことをキメ顔で返答するコブラのこのコマを使い、

セリフを変えてパロディが行われるようになったのです。

実際は苦悩するジェフにコブラはさまざまな助言と助力をしており、

その上で「明けない夜はない」と示唆するわけですが、

ネットではこの「知らんのか」が一人歩きをしているようです。

また、コブラの宿敵クリスタル・ボーイとの会話も秀逸です。

サイコガンで厚さ4インチの超マイクロ鋼でできた壁をぶち破ったコブラは、

クリスタル・ボーイと対峙するなり「オレをさがしてたんだろう? もっとうれしそうな顔をしろよ」と言い放つのです。

その後もサイコガンを放っておきながら

「ノックをすべきだったかな」と悪びれもなく言うコブラにクリスタル・ボーイも

「いいさ オレときさまの仲だ」と返すなど、

会話だけ聞くならまるで友人同士のそれなのです。

「SF――それは、新しいビンにいれた古いブドウ酒なのさ」

このセリフはジャンプコミックス版『コブラ』のカバーそでに添えられた寺沢さんのコメントです。

もとは聖書の一節にある「新しいブドウ酒を古いビンに入れるな」をアレンジしたもののようですが、

細かいコメントひとつとっても、寺沢さんの遺した言葉は唯一無二なものばかりです。

ネットの声

「寺沢武一先生の絵柄はまるでアメコミみたいで、セリフも時折ジョークを交えつつ、ウィットにとんだ会話なので、当時の日本人にはかなり衝撃的に映ったと思います。
40年先、50年先を見据えていたんでしょうね。
おかげさまで、連載から45年たっても古さを一向に感じさせません。
逆に、今読んでも目新しいし、今の連載漫画と比べても面白さでは引けを取りません。これだけの作品を20代前半で世に送り出したんだから、歴史の名を残せる早熟の天才漫画家ですね。
ホント、コブラには楽しませていただきました。
新作は読めなくなったけど、既存のエピソードをアニメ化してくれないかな。
六人の勇士編とか。刺青の女からリメイクしてもいいし。」

「「よせやい」…コブラの口癖?

台詞もですが、私がシビレたのは、ラグボールのハーフタイムが終わり後半に向かう時、コブラが壁ポスターのビキニガールのオシリを叩き、それにチームメイトが続くシーン。スカッとしました。
それと、ソード人の王がコブラに「報酬はいらないのか」と訊き、コブラが焦がして破れたコスチュームのオシリを見せて「糸と針くんない?」とウィンク、というのもカッコよかったなぁ。
本当にシビレる名場面ばかりでした。」

「TVKか何かでコブラの再放送をやってるんだよね。

今どきこんな洒落たスケベ男はいないよね。

寺沢さんのダンディズム、これ以上にカッコいい言葉を残した人は他にいない。
子供が惚れる名言を残した人は沢山いるが、命を知ったる男が残す名言を的確に表現したアニメはコブラ以外にないでしょう。

アニメ放送があった当時、子供心に思ったのが使われている楽曲の素晴らしさ。これもコブラの虜になる一因でした。」

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