なぜ高止まり?13年前から10万件増!パンクが増え続けている理由
近年、タイヤがパンクする事例が増えています。
JAFによると、ロードサービス出動件数のうち、タイヤのトラブルは2017年度に約39万件と、過去最多を記録したそう。
これは、10年前である2007年度(約29万件)から、約10万件も増えていることになります。
10年前と比較して、日本国内の道路が劣化したわけでも、タイヤの性能が劣化したわけでもないのに、なぜ、これほどタイヤのトラブルが増えているのでしょうか。
目次
タイヤに関する理解が不足している
JAFによると、タイヤのパンク(バースト、空気圧不足)に関する出動件数は、一般道では第2位、高速道路では第1位だそう。
道に落ちた釘や鋭い小石、落ちていた木の破片などを踏んでしまうことでパンクするのは避けようがないのですが、ひび割れが激しく入った劣化タイヤをそのまま使い続けていたり、空気圧不足のまま走り続けることで起きるバーストなどは、ドライバーの点検不足でしかないのです。
ガソリンスタンドや、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアでは、「月に一度は空気圧チェックを」という啓蒙ポスターをよく見かけます。
しかし、気にしない方にとっては全く目に入らないでしょう。
おそらく、空気圧チェックなどやったこともない、もっと言うとやり方もわからないドライバーも少なくないのではないでしょうか。
今日は職場の人とコスモス畑と九十九島を見に行ったのですよ???
帰りに職場の人の車のタイヤがパンクしてJAFさんお世話に??
F1のおかげで脳内で「これはDNFだな…」とか「ピット入ればタイヤ交換3秒以内で出来るのに?」とか考えてました?? pic.twitter.com/csl76QOBMP— なるぽん (@narupon0314) November 1, 2021
セルフスタンドの普及で、空気圧チェックの機会が減ってしまった
フルサービスのガソリンスタンドでは、店員が「空気圧チェックしましょうか」と声をかけてくれ、無料で点検してくれます。
しかしこの15年ほどで、セルフのガソリンスタンドが一気に普及(※令和元年時点でガソリンスタンド総数約3万箇所のうち35%がセルフ式)したことで、ドライバーが受動的にタイヤ空気圧をチェックする機会が減ってしまっているのです。
タイヤの状態などまったく気にとめないドライバーのなかには、タイヤの劣化や空気圧は、定期点検や車検のときだけ、という人も多くなっていると思われます。
しごおわキタック???
運転中にタイヤの警告灯が???????
慌てて近くの?へ今回はパンクではなく、リアタイヤの空気圧が下がってたらしい…。
コスモ石油のお兄さん?????
凄く優しかった????さすが『コ・コ・ロを満タンに??』してくれるね?????
高速運転中だったら、怖かったにゃ~?? pic.twitter.com/7YTYWDJxFi
— よしみさん@がんばらない (@HqZ4EXTGX1uXwzs) October 25, 2021
扁平率の低いタイヤが増え、空気圧不足を見抜きにくくなった
また、昨今のタイヤのトレンドも影響している可能性があります。
扁平率が60や65といった普通乗用車であれば、パンクを見落とすことはほぼないのですが、今では40扁平、35扁平というサイズも珍しくありません。
このような扁平率の低いタイヤの場合、タイヤのサイドウォール部分が物理的につぶれる量が減り、パンクしていることに気づきにくくなるのです。
一気に空気の抜けるパンクであれば、突起乗り越し後の振動おさまりの速さや、コーナリングの左右差などで分かることもありますが、徐々に抜けていくようなスローパンクだと、気がつくのはさらに難しくなります。
純正ホイールが18インチを超えるようだと、扁平率は45や40になるクルマが少なくありません。
そうした場合には、特に注意された方がいいでしょう。
パンク修理キット搭載も影響か
また、この10年ほどで、スペアタイヤの代わりにパンク修理キットを積んでいるクルマが増えてきていることも影響しているかもしれません。
ご存じの通り、パンク修理キットが使えるのは、トレッド面に空いた小キズのみ。
サイドウォールへのダメージにはパンク修理キットでは対応することができず、この場合は救援要請をすることになるのですが、微妙な位置でパンクしている場合、クルマに詳しくない人であれば余計に、自分で修理をすることに不安を感じるでしょう。
また、パンク修理剤には、要領などきちんと書かれてはいるのですが、スペアタイヤの交換と違い、パンクしたタイヤを一時的に使うことになるため、「それならば」と最初からJAFに頼ってしまう、ということも考えられます。
ほとんどの人が、スマートフォンでどこに救援要請をすればいいか瞬時に調べることができ、その場で電話もできます。
不安な方法で修理せずともプロにお願いした方がいいということも、タイヤトラブルでのJAFの救援要請が増えた理由のひとつかもしれません。
パンク修理キットを一度使ってしまうと、タイヤ内部が接着剤でぐちゃぐちゃになって、最終的にはタイヤもホイールも全て交換せざるを得ない状況になってしまうようです??
パンク修理キットを使う時は、山の中でスマホが圏外で全く繋がらないとか、もうどうする事も出来なくなった時の切り札ですね?? pic.twitter.com/CxZlOPPJXW— みやびチャンネル (@miyabi_ch625) November 1, 2021
ネットの声
「買ってから一度もエンジンオイル変えたことない人とかと同じようにタイヤを変えるという概念がない人が、多くなったんだろうな。そういう人に限って車検ケチるから壊れる。」
「つい先日、老人がプリウスの前輪をパンクしながら走行していました。パンクというかほぼホイール状態で事件でも起こして逃走しているかのようで皆が振り返るほどの音もしていましたが気にする様子もなく(恐らく気づいていない)走行していました。こういう人は人を撥ねても気にならない、他人の車、塀などにぶつけてもきにならないのだと思います。老人免許制度でも導入して下さい。ほんとに危険ですよ!もう運転はやめて下さい。」
「バイクは、基本的にはバイクが好きな人が乗ってる趣味性が高い乗り物なので、空気圧だったりタイヤの減りだったりに気を使ってる人は多いけど、車は、特に車に興味が無くても、道具としての利便性の高さから、とりあえず免許は取って、極端な言い方をすると、タイヤが減ってたり、空気圧が低いとどうなるのかの意味が分からず乗ってる人がいる感じ。」