1980年前後に出たクルマに憧れた…この5台はいいよ!

やっぱりクルマはデザイン命! 

まだ免許をもたない高校生のころに心を奪われた5台

デザインが格好良すぎて欲しくなった珠玉の国産車たち

本物の走りを目指した高級2ドアクーペ

まずは、王道としてトヨタの初代「ソアラ」です。

クルマ好きの高校生としては、アウトバーン巡行を公言したスーパー・グランツーリスモとしての高性能にも惹かれましたが、やはり空力を意識した2ドアクーペスタイルに釘付けでした。

「そこには牙をむき出しにしたラインは1本もない」というカタログコピーは、いま思えば相当な意識の高さを感じさせるし、「素顔美人」なるキーワードも地に足の着いた姿勢です。

実際、プレスドアを用いたボディはカタマリ感のあるシンプルかつ骨太な造形で、ウエッジスタイルには先進性を感じさせました。

もちろん、当時免許を持っていたとしても手の届かない高級車でしたが、だからこそ憧れも強かったと言えそうです。

ライバルに先んじた上級スペシャルティ

さて、そのソアラのライバルとされた日産の初代「レパード」が2台目です。

「ブルーバード」の上級に位置付けされながら、おかしな高級志向に陥らなかったスタイルは、強いウエッジが効いた超スポーティな佇まいが特徴でした。

スラントしたフロントグリルに長いボンネットを経由し、そのままリヤまで流れる伸びやかなキャラクターライン。

ここに4ドアを設定すること自体が冒険ですが、ピラーをブラックアウトさせ、リヤまで回り込ませた広大なグラスエリアが圧倒的な先進感を醸し出しました。

その思い切りはライバルに比べると少々「子供っぽい」とも言えますが、高校生の目には、だからこそ魅力的に見えたのは間違いありません。

省エネ・省資源を逆手に取ったトールボディ

3台目はホンダの初代「シティ」です。「低く、長く、幅広い」は虚像と言い切った若手デザイナーたちによるスタイルは、限られたサイズのなかで最大の容積を求めれば球体になるという、とんでもない発想から至ったトールボディです。

超シンプルなボディは、前進感を生む低いノーズと、ボディを上下に分けて安定感を生み出すキャラクターラインで構成。

また、当時叫ばれていた省エネ・省資源の視点を取り入れ、グリルやバンパー、リヤルーバーなど多くの部分を素材色で統一させました。

高校生にとってはよりスポーティなターボバージョンに目が向かいがちでしたが、いま落ち着いてみれば、標準モデルのシンプルさこそがシティの本質なのだと気が付きます。

三菱車のイメージを大きく向上させたベストセラー

次は三菱の4代目「ギャランΣ」です。同社を代表するミドルクラス車で、「Λ」の名を持つ2ドアクーペも有名ですが、高校生の自分が目を見張ったのは、あくまで4ドアセダンのほうでした。

ヨーロッパ調のデザインを採り入れて好評を得た先代のイメージを残しながら、ボディ面はより滑らかとなり、スラントしたノーズと緩やかに下がるリヤをつなぐ絶妙なベルトラインとの組み合わせは、じつに美しいプロポーション構築。

また、コーナーランプと一体になった大型のヘッドライトと、シンプルなグリルの組み合わせもじつにエレガントでした。

イタリア人デザイナーのアルド・セッサーノが関与した同時期の「ランサーEX」と並び、三菱の黄金期を作った名車として強く印象が残っている1台です。

近未来を提示したイタリアンクーペ

最後はいすゞの初代「ピアッツァ」です。

1980年前後のグッドデザインとしてはもはや定番ですが、当時の衝撃は忘れることができません。

高校生当時から実用車のデザインに興味があった自分としては、流麗な2ドアクーペはちょっと外れた存在だったのですが、そんなことを一切忘れさせるほどのインパクトがありました。

「117クーペ」の後継とされながら、もはや20年、30年後のデザインを見越したようなフレッシュサーフェス化は驚異的で、しかも、たった1本のキャラクターラインでボディを引き締める力量は、高校生の自分にもジウジアーロという名前を印象付けたほどです。

大きな単位の面構成によるカタマリ感も素晴らしく、これで4ドアがあったらなんて妄想を抱いたのを思い出します。

さて、今回はあくまで個人的な思い出による5選でしたが、いかがでしたでしょうか?

5台とも、もう40年以上前の登場ですが、面白いのは、いままさに旧車ブームとしてこれらのクルマが再評価され、運がよければ入手できるというのが何とも不思議な感じです。

ネットの声

「初代ソアラの登場は、その時代背景などもあって鮮烈なものだった。当時2ドアに大排気量の車なんて、どんだけ贅沢なことだったか。先進のメーターや走りのスタビリティは当時としては高レベルなものだったし、横からのスタイリングもAピラーとCピラーを融合させ富士山を意識したものと読んだ記憶がある。思えば日本が頂点に向かって走り出した時代の申し子だったように思う。」

「そりゃそうでしょ?あの当時は親父より良い車良い車!親父のカローラやランサーEXなんて格好悪いと思っていました。高級なソアラに憧れたわ。あの頃はローン組んで全然OK。それでも高価なクルマ欲しいの記事の5車種以外にも色々ありましたよ。レパードも悪っぽい雰囲気が逆に渋かったな。L字型テールのマツダコスモもイカしてたな。今じゃ芸術的デザインのクルマがなかなかいないから寂しいな。」

「初代ソアラのデビュー時期、まわりのクルマは野暮ったい(今思えば味のある、ですが)エクステリアで内装装備も簡素なクルマが多かったなか、ソアラの近未来的な外装、デジタルメーター、本革シートなど当時小学生だった自分は凄く驚いたのを覚えている。」



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