1日8時間は実は寝すぎ!? 本当に必要な睡眠時間を知る方法
十分寝ているつもりなのになかなか疲れがとれない、もしくはいつも眠い…。
自分にぴったり合った睡眠時間を知るには、どうすればいいのでしょうか。
京都府立医科大学大学院の八木田和弘教授は「休日に自然と目を覚ます時刻が目安になる。何時に寝て何時に起きたかを記録し、平日と比較すると、最適な睡眠時間が見えてくる」といいます。
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“眠る必要がないから眠れない”という場合も
どれだけ睡眠をとればいいのかは、人によってかなり違いがありますし、年齢を重ねるに従って適正な睡眠時間は変わっていきます。
一般的に、子どもは必要とする睡眠時間が長く、新生児は約16時間、幼児期は10時間以上、学童期は9時間程度、中高校生で8時間以上とされています。
成人の適正な睡眠時間は7時間半程度といわれていますが、個人差がかなりあります。
また、65歳以上の高齢者になると、6~7時間程度の睡眠時間で十分な人が増えてきます。
そのため、高齢者で「眠れない」という人の多くは、実は十分に睡眠をとっていると専門医は言います。
例えば、高齢者で夜9時に寝る人は、未明の3時過ぎに目が覚めて当然ということになります。
外は真っ暗で夜中なのに目が冴えてもう眠れない。
でも、当然ですよね。
十分な睡眠時間をとっているのでもう寝る必要がないために眠れないのです。
乱れ散らかした自律神経を整えるには『朝日光を浴びる』『生活リズムを整える』『ストレスをためない』『リラックスして過ごす』『毎日しっかりと湯船につかる』『栄養をバランスよく摂る』『運動を習慣づける』『睡眠時間を確保する』らしい。ほうほう、なるほどなるほど。…えっ難易度高すぎん??
— よでぃ (@yod_blog) February 19, 2022
昼間はできるだけ外で活動する
こういう人に睡眠薬を投与するケースは、今でもあると思います。
しかし、睡眠薬の処方をお願いする前に、眠れないと感じる理由がわかれば対応は違ってくるでしょう。
安易に睡眠薬に頼ってしまうことで、むしろ、睡眠薬服用によって転倒による骨折やせん妄などが起きやすくなり、危険な事故などのリスクのほうが、眠れるという利益を上回ることが多くなります。
高齢者の睡眠時間が少なくなるのは、代謝が下がっているからだといわれています。
基礎代謝は大きなエネルギーを使うので、それが落ちてくると、肉体的な疲れが減ってきます。
だから、そんなに寝る必要はないということになるわけです。
ただ、生理的に必要とする睡眠時間が短くなっているとか、年齢のせいで皆さん睡眠が浅くなりますと言われても納得がいかない人も多いかもしれません。
高齢者は睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が低下しがちです。
メラトニンは松果体という脳のなかの小さな器官でつくられ分泌されるホルモンですが、夜間にしか分泌されないという特徴があります。
しかも、夜に明るい光が当たると分泌が低下します。
しかし、一方で、昼間に明るい光を浴びておくと、夜間のメラトニンの分泌が高まることもわかっています。
昼間はできるだけ活動し、外にも出て、夜にはほどよい体の疲れとメラトニンの分泌で、いい眠りを誘うことを心がけてみてください。
大切なこと言うね??
生活は「睡眠時間を最優先にして組むのが健康への近道」
やること終わってから寝る!の生活だとどんどん寝るのが遅くなる
決めた睡眠時間までにやれるように行動を工夫すると意外にダラダラしていた無駄に気づけて時間効率も上がるし元気にもなれて一石二鳥だよ??
お試しあれ♪
— タクヤ先生 中医学/薬剤師 (@takuyasensei) February 13, 2022
“本当のショートスリーパー”は少ない
睡眠時間について語るときによく耳にするのが、「ショートスリーパー」という言葉です。
ショートスリーパーの定義は1日5時間以下の睡眠時間で十分な人のことをいいます。
「私はショートスリーパーだから、1日3、4時間の睡眠で十分だ」という人がいますが、本当にショートスリーパーはいるのでしょうか?
答えはイエス。
確かに存在します。
でも、多くても数百人に1人以下という非常にまれなケースで、遺伝的に決まっているといわれています。
なので、訓練でショートスリーパーになれるわけではありません。
しかし、「私はショートスリーパーだから、睡眠時間が短くても問題ない」と言っている人の大半は、本来のショートスリーパーではなく、どこかで無理をしていると思われます。
ショートスリーパーで有名なのはナポレオンですが、実は昼間にウトウトしていたとも伝えられているので、本当は違っていたのかもしれません。
一方で、1日10時間以上の睡眠が必要な「ロングスリーパー」も存在します。
アインシュタインがロングスリーパーだったことは有名で、10時間は寝ないとだめだったといわれています。
また、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんは11時間寝ていたそうです。
「目覚まし時計なし」で何時に起きるか?
このように、個人の体質として、適正な睡眠時間は非常に大きな幅があります。
となると、自分の適正な睡眠時間を知ることは、ある意味で人生を有意義に過ごすために重要なことかもしれません。
では、どうすれば適正な睡眠時間がわかるのでしょうか?
例えば、ショートスリーパーだと自認している人が本当にそうかを確かめるには、休みの日に目覚まし時計をかけずに自然と目を覚ます時刻が、いつもよりどのくらい遅くなるかが1つの目安となります。
十分な睡眠がとれている人だと、目覚まし時計をかけずにいつも通りの時刻に目が覚めます。
睡眠時間が2~3時間も長くなってしまう場合は睡眠不足と言えます。
平日8時間くらい寝ているのに、休日に目覚ましなしだと昼近くまで寝てしまうという人もいるかもしれません。
そういう人は8時間では睡眠不足であり、10時間程度の睡眠時間が必要なロングスリーパーの体質だということがわかります。
精神が病み散らかしたとき、メンタル回復のためにやったこと。 「睡眠時間の確保」 「日中に散歩」 「筋トレ」 「読書」 「娯楽の習慣化」 「苦手な人とは関わらない」 「推しを愛で散らかす」 。とはいえ、いちばん大切なのは 「絶対に無理をしない」 。やる気がないときは 「何もしない」 もあり。
— よでぃ (@yod_blog) February 13, 2022
典型的な睡眠のとり方“3つのタイプ”
睡眠時間には、大きな個人差があります。
ですから、一概にどのような睡眠のとり方がいいということは言えません。
それよりも、自分がどのような睡眠のタイプなのかを知って、仕事や生活習慣の範囲内で最善の睡眠のとり方を探ることが大切だと思います。
そこで役に立つのが「睡眠日誌」です。
何時に寝て、何時に起きたかを記録するだけのシンプルなものなので、どなたでも今すぐにはじめられます。
一定期間記録することで自分自身の睡眠タイプがはっきりとわかりますので、ぜひ試してみてください。
①休日補填型
平日にくらべて休日の睡眠がかなり長いタイプです。
平日に規則正しく起きていて、睡眠不足になっていないと自分で思っていても、睡眠時間が足りていない可能性はあります。
とくに通勤時間が長い人は、休日補填型になりやすいと言えます。
試しに、休日に目覚ましをかけずに起きてみてください。
平日より2時間以上長く眠る場合、睡眠不足の可能性があります。3時間以上になると、明らかな睡眠不足と言ってよいでしょう。
対策としては、平日の睡眠時間を増やすことを考えてください。「寝だめ」はできませんので。
また、休日前の夜更かしと休日の朝寝坊は、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)と呼ばれる体内時計のズレを生じることがあります。
その点でも注意が必要です。
②帰宅後睡眠型
これも睡眠不足の典型です。
学校や仕事から帰ってきて、夕方にちょっと寝てしまうタイプです。
30分くらいならいいのですが、1時間半、2時間と寝てしまうと体内時計がズレる原因になります。
夕方に長時間寝てしまうと、夜遅くまで眠れなくなってしまいます。
それでも朝は早く起きなくてはならないので、結果的に睡眠時間が不足してしまいます。
重要なのは帰宅後の睡眠のとり方です。本当に睡眠不足を解消するには、2時間ぐらいしっかり寝たほうがいいのですが、それによって入眠時刻がずっと遅れてしまうようであれば具合がよくありません。
寝過ぎなのか適正なのかを判断する基準は、この入眠時刻です。寝ようと思う時刻に眠くなるかどうか。
いつも12時ぐらいに寝ているのに、1時、2時になっても眠くならないというのは、帰宅後の睡眠のとりすぎです。
③不規則型
シフトワーカーやフリーランスにありがちなタイプです。
睡眠相が不安定なまま、ずっとズレていくことから、体内時計が乱れて不安定なことを示しています。
また、コロナ禍によってテレワークに移行した人にも、不規則型が増えています。
これを修正するには、起きる時間を一定にする必要があります。
がんばって眠ることはできませんが、がんばって起きることは可能です。
目覚まし時計で、6時なら6時、7時なら7時に起きると決めましょう。
寝るときは、自然に眠くなったときに寝るようにします。
ただし、休日にそれをやめてしまうと、元の木阿弥になってしまいます。
休日も含めて、決まった時間に起きることが体内時計を整えることにつながります。